地方創生

衆議院議員 小池 百合子氏

女性の社会進出、少子高齢化対策など、生活者の視点を重視した政策の実現を目指す小池百合子衆議院議員。2013年には「婚活・街コン推進議員連盟」を立ち上げ、会長として精力的に活動する。小池議員と人材紹介会社ヒューレックス㈱(仙台市青葉区)の松橋隆広社長が、東北の未来をつくる地方創生について対談した。今号と次号に連載。

衆議院議員 小池 百合子氏×ヒューレックス株式会社 松橋 隆広

まず、日本が抱える地方の少子化問題についてお考えをお聞かせください。

人口問題は大きなテーマです。過疎地のみならず東京のど真ん中でもさまざまな現象が起きています。まさに国の存続に関わるゆゆしき問題です。例えば、私の選挙区の一部である練馬区は人口が72万人を突破して増加の一途です。同じく豊島区でも27万人を突破しました。しかし郊外のニュータウンなどは、いまや「オールドタウン」になり、お年寄りの中には「もう住めない」と東京都心部の平地に移り住む人が増えています。その一方で少子化が進み、出生率は少々改善して、1・41と落ち込んだままです。

皆さん分かってはいますが、具体的な対策が取られていないのが現実ですよね。

その通りです。そこで、私は、2009年の鳩山政権以降3年3カ月間続いた野党時代に、もう一度政治の原点に戻ってみようと思いました。あらためて女性の問題に取り組み、まとめたのが「7つの提案」です。そのうちの一つが、地方の活性化です。地方の経済がしっかりして雇用が確保されれば女性も働きます。地方ならではの住環境の良さもあります。都心部の待機児童問題が深刻ですが、むしろ地方を活性化することが子育てにも、それから女性の能力を生かす観点からも良いのではないでしょうか。つまり、過疎、地方、経済、女性、そして国会の一番基である人口。これらの課題全てを抱合して、しっかり取り組まなければなりません。

例を挙げると、福井県は女性の就業率が高く、かつ人口が増加しています。他県からの転入ではなく、出生率が高く維持されているのです。それは働く場があり、職住接近など、良好な住環境が確保されているからです。雇用と結婚、経済、このワンセットがとても大切なのです。先ほどの「7つの提案」では、他に20年までに女性の登用率30%をうたい、また、子どもを産んで勤めることができる「産勤交代」というキャッチフレーズも掲げました。安心して子どもを産んで育てる環境を整備することが、少子化対策につながると思います。

産後復職を誉れとする制度を

主婦やパート雇用も含めて、企業の中でどうしたら女性が活躍できる環境を整備できるでしょうか。また、生涯働き続けるためのワークライフ・バランスも重要になります。出産して休暇を取り、また復帰する。そしていずれ来る介護も含めた人生のサイクルです。企業とうまい形でバランスが取れたらすごくいいと思うのですが。

今おっしゃった「サイクル」を女性だけに課していることが、少子化の一つの原因でしょう。介護については、最近男性で長く勤められた方々、もしくは働き盛りの方々でさえ介護離職に追い込まれたり、介護休暇を取るようになっています。女性という観点だけでは今の社会が抱えている問題は解決できません。昔の生理休暇はともかく、育児休暇が女性だけのものだと思われたり、逆に「イクメン」が、会社から競争の脱落者というレッテルを貼られてしまうことが問題なのです。

「寿退社」という言葉があるように以前は結婚を機に女性は退社していましたが、昨今は出産を機に退社という傾向が強いように思います。加えてマタニティー・ハラスメントです。つまり、出産・育児を機にこれまでの仕事のポジションを失い、正規社員が非正規のパートタイマーになり、生涯給与が以前の1割位に落ち込む。これは、いわば出産を負と捉えるからです。むしろ、産後復職を誉れとする制度や企業内の雰囲気を作るべきです。

私が提唱しているのは、予算はほとんどかけずにトップダウンで変える方法です。今やすっかり定着したクールビズもそうです。皆がネクタイは当たり前と思っている感覚をまずなくすには、トップダウンが効果的です。

長時間労働の是正も同じです。上司が率先して帰らないと結局、部下は帰れないでしょう。だから、上から変えるのです。自分の時間を確保し自らを磨く。そしてその結果、新たな産業やイノベーションも生み出せると思います。特に地方では、ちょっと街から出ると広い場所があり、テニスからゴルフからさまざまなレジャーを楽しむことができます。そこにさらに新しい産業が育ち、そこで働く従業員の雇用も生まれるのです。

観光やレジャーなど、地方に新しい産業やサービスが生まれると女性が働く場も増えますよね。

婚活が人口問題解決の入り口

松橋社長のおっしゃる通りです。実は私は、仏ルノーの社外取締役を務めています。17人の取締役のうち、フランスの名だたる企業の会長さんのほか、女性も全体の3割をクリアしています。国籍も、日本人の私のほかフランス、ドイツ、イギリス、中国など多彩です。日本では「多様性」と言ってもまだ男女比率だけですが、ルノーはまさにグローバルな取り組みを実行しているといえます。

女性の雇用や労働環境の改善には、働き方を含めて地方が変わることで可能性は大きくなるということですね。弊社の直近の取り組みとして、取引先企業へ女性の積極的な中途採用を働きかけているところです。また、先生は2013年11月に「婚活・街コン議員連盟」を立ち上げて、会長として活動されていますが、私はこの取り組みが地方を変えると思っています。この取り組みを社会のトレンドにしていくためには、何が必要でしょうか。

出生率を上げるには、日本は結婚しないとなかなか子どもを産みにくい社会です。さあ結婚しましょうと言っても、男女の出会う機会が少ない。そこで各地での街コンを促すために作ったのが、「婚活・街コン議員連盟」です。

街コンは地域起こしにもなっていて、日本中あちこちで一年間に6~7千回行われています。以前、石破茂大臣とJRの特別車両で合コンを開催したところ、男女合わせて200人以上が集まりました。実は、そこからご成婚が一件生まれました。とてもうれしいことです。

やはり、知り合う場を数多く作っていくことが大事だと思います。さらに、婚活・街コンを実施する自治体への支援策として「地域少子化対策重点推進交付金」を25億円用意しました。

先生のこの取り組みは非常に大事なことだと思います。婚活から始めないと、それに続く結婚も出産もありません。入り口である婚活が大事になりますね。

単に出会ってお付き合いするだけでなく、結婚すればこそ子どもを二人三人と、皆が産めるようにもなります。待機児童の問題もありますが、まだその手前の人も数多くいて未婚率が高いままです。特に男性は、このまま行くと約3割は生涯未婚になるとも言われています。

地方においては、さらに出会いの場が少ないと言われています。婚活の機会を多く作っていくことが地方創生の第一歩になるわけですね。
(続く)

衆議院議員
小池 百合子 こいけゆりこ

1952兵庫県生まれ。関西学院大学を経てカイロ大学文学部社会学科卒業。93年衆議院議員初当選。環境大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)、防衛大臣などを歴任。

※この対談は、仙台の地元経済誌「仙台経済界」の2016年7月-8月号に掲載されたものです。

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