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転職を考えたり、退職後の生活を考えたりすると、気になるのはお金のこと。
退職後の暮らしに大きく影響を与える「退職金」ですが、みなさんは自分がいくらもらえるか把握していますか?
退職金は、一般的に基本給が高く勤続年数が長い人ほど多いといわれますが、計算方法は企業によってさまざまです。
退職金がいくらもらえるか分からない、どうやって計算すればいいか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、退職金の一般的な相場と具体的な計算方法について解説します。
また、勤続年数や退職理由によって生じる支給額の違いについても紹介します。
目次
「中小企業退職金共済制度」に基づき支給された退職金について1件当たりの支給額を求めたところ、平成28年度の山形県の平均は約154万円。
全国平均が約139万円なので、山形県の退職金の平均は全国平均を15万円ほど上回っています。
「中小企業退職金共済制度」は、事業主が全額負担する掛け金を原資として社員に退職金を支給する仕組みで、独立行政法人勤労者退職金共済機構の中小企業退職金共済事業本部が運用しています。

参考:独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「平成28年度都道府県別退職金等一時金支給状況」
http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2802.htmlの情報を基に作成
山形県における退職金の平均支給額について平成24年度からの推移をみると、平成24年度~26年度は145万円前後なのに対し、平成27年度、28年度はおよそ155万円に上昇しています。
一方、全国平均は130万円台後半で推移し、大幅な上昇はありません。そのため、平成27年度になると山形県の平均が全国平均を17万円ほど上回り、平成28年度も同様の傾向が続いています。

参考:以下の情報を基に作成
独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「都道府県別退職金等一時金支給状況」
平成28年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2802.html
平成27年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2702.html
平成26年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2602.html
平成25年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2502.html
平成24年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2402.html
※上記の退職金の平均額は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が「中小企業退職金共済事業」として支給した「退職金の総額」を「総件数」で割って算出したものです。
東北6県について、平成28年度に支給された退職金の平均を県ごとに求めたところ、東北6県の中で山形県における退職金の平均がもっとも高いことがわかりました。
宮城県と福島県は退職金の支給総額そのものは山形県の支給総額を上回っていますが、件数が多いため平均を算出すると低くめの額となります。

参考:独立行政法人 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「都道府県別退職金等一時金支給状況」
平成28年度:http://www.chutaikyo.taisyokukin.go.jp/joho/toukei/t_kake2802.htmlの情報を基に作成
退職金は従来、ほとんどの企業が基本給を基に計算していましたが、近年は減少傾向です。
先ほどの厚労省の調査によると、退職時の基本給を基礎として退職金を計算している企業は、平成20年は79.6%を占めていました。
ところが、平成25年の調査では55.6%まで減少しています。
代わりに増加したのは基本給に連動しない方法です。
たとえば、資格や成果による点数(ポイント制)方式や勤続年数などに応じて定額で支給する定額方式などです。
特に、1,000人以上の大企業の74.9%が基本給に連動しない方法を採用しています。
退職金の計算に基本給を使う場合、退職時点の基本給に退職理由や勤続年数に応じた支給率をかけるのが一般的な方法です。
もし、著しい功績があれば加算し、逆に懲戒の場合には減算するなど、一般的な計算では調整しきれない分があるときは「調整額」によって退職金を増減させることがあります。

参考:厚生労働省「平成25年就労条件総合調査の概況」p27 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/dl/gaikyou.pdf
また、退職金の計算方法に基本給を使わない方法として「点数(ポイント制)方式」「定額方式」「別テーブル方式」の3つがあります。
点数(ポイント制)方式は、勤続年数といった年功要素、資格や職務・役職、人事考課などの評価要素をポイント化して退職金を算出する方法です。
退職金の支給額は、入社から退職までに付与された「ポイント累計額」に1ポイント当たりの「単価」をかけて求めます。
(例)1ポイント=1,000円
Aさんが1,300pt保有していた場合、1,000円×1,300pt=1,300,000円
経団連などの退職金に関する実態調査によると、ポイントの配分割合にはおおよその傾向があります。
もっとも多いのは「資格・職務要素」で7割弱、次いで「年功要素」の配分が2割弱、「考課要素」は1割ほどです。
参考:日本経済団体連合会、東京経営者協会「2016 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」p3 http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/041.pdf
また、退職事由によって異なる支給率を設定している場合は、退職事由別支給率をかけて支給額を算出します。
退職事由は大きくは、社員本人の都合で退職する「自己都合退職」と、定年や会社都合による解雇などが理由の「会社都合退職」の2つです。


定額方式は、基本給とは関係なく、勤続年数や退職事由などに応じて退職金の支給額を予め決めておく方法です。
別テーブル方式は、「賃金表」の代わりに別の体系やテーブルで作成された「算定基礎額表」と呼ばれる表を使い、支給率をかけて計算します。
必要に応じて、調整が行われることもあります。

参考1:厚労省「平成25年就労条件総合調査の概況」p27 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/dl/gaikyou.pdf
参考2:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成26年版)」p32 http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/pdf/chincho_26/pdf/2_7.pdf
一般的に、退職金は勤続年数をはじめ退職事由や企業の規模、学歴などによって支給額が大きく変わります。
退職金を多くもらうには、どんな条件がそろえば良いのかを見ていきましょう。
先ほど紹介した経団連などの実態調査をみると、大卒の人も高卒の人も、勤務年数が長くなるにつれて退職金の支給額が増加しています。
退職金は直線的に増えていくのではなく、一定の時期を超えると急激に増えるのが特徴です。
勤続5年と勤続10年の支給額を比べると、大卒・高卒ともに2倍以上の差があり、大卒はおよそ170万円、高卒の場合も120万円ほど増えています。
その後も順調に増加し、勤続25年頃から急激に。
たとえば、勤続30~35年の5年間で、大卒も高卒も450万円ほどの大幅増となっています。

出典元:日本経済団体連合会、東京経営者協会「2016 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」p1 http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/041.pdf
*1.上記のグラフは高校や大学を卒業後、直ちに入社し、標準的な昇進や昇格をした人に支給された退職金(標準者退職金)のデータを基に作成しています。退職事由は会社都合で、退職者の職種は管理・事務・技術労働者(総合職)です。
*2.勤続年数の「38(42)年」は、大卒者の勤務年数が38年、高卒者は42年となります。
退職の理由が会社都合か自己都合かによって、退職金に400万円以上の差がでることもあります。
厚労省の「平成25年就労条件総合調査」によると、自己都合で辞めた高卒者の退職金は平均1,159万円。
ところが、会社都合の場合だと平均1,573万円と、約410万円の差がありました。
この傾向は、大卒者でも同様です。自己都合の平均が1,586万円だったのに対し、会社都合の平均は220万円ほど高い1,807万円でした。

出典元:厚生労働省「平成25年就労条件総合調査の概況」p23 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/dl/gaikyou.pdf
*上記のデータは退職者の職種は「管理・事務・技術職」で、「勤続年数20年以上、かつ45歳以上」の退職者に限定したものです。そのため、先ほど紹介した経団連などの実態調査とは必ずしも一致しません。
先ほどの厚労省の調査では、退職金の支給額を企業の規模別に分けて比較しています。
退職一時金制度だけを利用している企業の大卒の退職金をみると、1,000人以上の企業では平均1,764万円。
100人未満の企業で支給された919万円に比べ、1.9倍という違いがありました。
また、退職金は、どのような形で支給されるかという退職金制度の違いによって、総額が変わるのが特徴です。
グラフに示したように、退職金を一括で支給する退職一時金制度を単独で利用するより、退職年金制度という退職金を年金で受け取る制度と退職一時金制度を併用した方が退職金は増加します。

出典元:厚生労働省「平成25年就労条件総合調査の概況」p25 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/dl/gaikyou.pdf
退職金は必ず支給される訳ではありません。
厚労省の調査によると、退職金制度のある企業は減少傾向にあります。
平成20年度の調査では83.9%の企業が「退職金制度がある」と答えていましたが、平成25年度には75.5%まで減少し、全体の8割を切りました。
また、退職金制度がある企業でも、支給対象を「勤続3年以上」に限定している企業が多いようです。
まずは、自分の会社にそもそも退職金制度があるのか、制度がある場合には支給条件がどのように規定されているかなどを確認することが重要といえます。
自分の会社に退職金制度があるかどうかは、「就業規則」などの社内規定で調べることができます。
退職金制度がある場合、就業規則には退職金規定として支給条件や計算方法、支給方法などが記載されているのでよく確認しましょう。
また、パート社員の場合は、「パートタイマー退職金規定」などの形で正社員とは異なるルールで定められているのが一般的です。
1つの会社に、労働者ごとに別の就業規則が規定されるケースも多いので調べるときは注意してください。
退職金(退職給付)制度は、退職金の受け取り方によって大きく2つに分けることができます。
1つは退職時に一括して受け取る「退職一時金制度」、もう1つは一定の期間、もしくは生涯にわたって年金として受け取る「退職年金制度」です。
経団連などが行った平成28年度の実態調査では、2つの制度を併用している企業が71.7%ともっとも多く、退職一時金制度だけを採用している企業は13.4%。
退職年金制度だけの企業は11.7%でした。
制度によって受け取り方が異なるだけでなく、支給額にも違いがあるので、自分の会社がどのような退職金制度を導入しているのかをしっかりチェックしましょう。
退職金には所得税がかかります。ただし、退職金には長年の功労・報奨金や退職後の生活保障といった意味合いがあるので、通常の賃金よりも優遇される傾向にあります。
所得控除によって「税金がかからなかった」という方もいるようです。
退職金の所得控除額は勤続年数が20年以下かどうかで、下表のように計算方法が異なります。

出典元:国税庁 所得税「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm
勤務年数のうち、1年に満たない端数があるときは「1年」に切り上げます。
たとえば、14年2か月の場合は、勤続年数を「15年」として計算してください。
退職金の課税対象額は、以下のように退職金から退職所得控除額を引いたものに2分の1をかけて求めます。

出典元:国税庁 所得税「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm

具体例を挙げて、退職所得控除額と課税対象額を計算してみましょう。
勤務年数が29年5か月 の場合は、「30年」に切り上げて計算します。

退職金は所得控除だけでなく、課税対象額も半分になるといった優遇があるため、税金を安く抑えることができます。
退職金は企業によって支給対象も、計算方法も異なります。
「今の会社では何年勤めても退職金がもらえない」という方は、退職金がもらえる企業に転職するのも1つの方法です。
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東京の大手不動産でリテール営業を経験。30歳を節目に故郷の東北へUターンし、地元の転職支援会社へ入社。主に20~30代の若い人材のキャリアカウンセリングや、転職活動サポートを担当している。趣味はライブ鑑賞とスノーボード。
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