「35歳を過ぎると転職は難しい」というのは過去の話。
終身雇用制が崩れかけている日本では、欧米社会同様、ミドル層の転職は年齢に関わらず珍しいことではなくなりました。
ただ、40代の転職を取り巻く環境や条件は、20~30代とは大きく異なります。
では、福島ではどうでしょうか?
今回は、40代、ミドル世代の方々が福島で転職を成功させるための秘訣、ポイントについて紹介します。


厚生労働省が8月29日発表した全国における7月の有効求人倍率は、1.52倍。
5カ月連続の上昇で、1974年2月以来、43年5カ月ぶりの高水準となっています。
一方で、景気の回復とともに企業の人材不足は深刻になり、40代やミドル層といったエグゼクティブ人材の力を必要とする企業も増えています。
ミドル層やエグゼクティブ層向けの求人情報サイトも多く見られるようになりました。
福島県の転職市場についても簡単に確認しておきましょう。
福島県労働局が発表している福島県の近年の有効求人倍率は以下の通りです。
| 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
| 1.42倍 | 1.45倍 | 1.51倍 | 1.51倍 | 1.25倍 |
全体的に有効求人倍率は全国水準に近い水準で推移しています。有効求人倍率だけを切り取った場合、福島県のデータは比較的優れていると言えるでしょう。
ただし、だからといって転職の難易度も全国の都市部と同等であると考えるのは危険です。
福島県は地方都市であるため、いわき市、郡山市、福島市といった県内では人口の多い都市であっても、会社の数が多くありません。従って有効求人倍率の数値が悪くなくても、希望する職種や業種の募集が見つかりにくい傾向があります。
そもそも、東京などの首都圏でしか募集していない仕事もあります。
重要なことは、条件に合致する求人情報を簡単に入手できない可能性があるからこそ、転職の際には情報を幅広くスピーディーに入手することが重要であるということです。
特に40代の転職においては採用する側の企業が求める要件も厳しくなります。即戦力として力を発揮するだけでなく、マネジメント力も問われます。
転職市場においては、福島県でも40代の力が必要とされていることには変わりありませんが、転職成功の為には積極的な姿勢が不可欠です。
40代が転職市場にて企業から期待されるポイントを確認しておきましょう。企業から期待されるポイントとはつまり、採用選考の際に企業の人事側がチェックしているポイントということです。
評価されるポイントは、大きく分けると高度なスキルと組織へのフィットの2点です。
40代の転職者は、入社後すぐに活躍するように期待されます。
だからこそ、スキルの高さを具体的な実績で示すことが重要です。
例えばマネジメント能力に関する実績を表したい場合には、何名の組織をどのようにマネジメントし、その結果として数字(売上や経費など)がどのように変化したのかという点を示さなくてはなりません。また、専門職などの高度な技術を持っていることを示す際には、どんなプロジェクトに参加してどのような成果を得たのかという点を明記する事が重要です。
特に、福島県などの地方都市の企業は、代表取締役の参謀となるナンバー2のポジションを担う人材が不足している傾向があります。従って、役員として将来活躍できると期待を抱かせるほどの高度なスキルが要求されることも珍しくありません。
40代の社員が組織にフィットできるか否かという点は、企業の人事担当者が懸念するポイントです。40代転職者の場合は、直属の上司が年下になるケースもあります。あらかじめ組織とフィットするかどうか注意をしておかないと、入社後にトラブルが生じるリスクにもつながります。
組織へのフィットを示す明確な基準はありませんが、重要なことは積極的に学ぶ姿勢や謙虚な態度を見せる事です。
必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、40代の転職者に対して企業が用意しているポジションは、管理職や将来の幹部候補です。20代や30代のように、プレーヤー層としての採用は、高度な技術を必要とする職種や深刻な人材不足に陥っている企業以外ではあまり多く見られないでしょう。
40代の場合には、傾向として基本給が高めに設定されるため、給与に見合った活躍が期待されるという訳です。
さらに難易度の高いポジションで「即戦力性」をも求められます。
これらの点を理解していないと、40代転職者が採用された企業で力を発揮することは困難になります。また、応募する企業の募集要件にご自身のスキルや性格がマッチしているか否かを自分自身で事前に入念に確認しておくことも重要です。

40代で転職を成功させるためには事前の準備が必要です。
福島県の転職においても準備の重要性は変わりません。
この章では、福島県の転職希望者が転職前にやるべきことを解説します。
企業が40代の転職希望者に求めているものは、大きく分けて3つあります。
そして、必要とされる3つのスキルをもっていることを選考の場で示す事も重要です。
新卒、第二新卒の社員を一人前のビジネスパーソンに育て上げるためには、企業にとっては多くの時間とコストがかかります。
しかし、ミドル層なら、これまで培ってきた経験とスキルを武器に、明日からでも仕事が任せられます。つまり、即戦力となることが期待されているのです。
人材マネジメント能力だけではなく、定常業務やプロジェクトを遂行するための、経験に基づいた高いマネジメント能力を要求されます。
40代のミドル層であれば、管理職として部下の指導や育成経験のある人も少なくないでしょう。
また、単にマネジメント経験が「ある」だけでなく、マネジメントの内容も意識しましょう。部下の人数やプロジェクトの予算などが大きなチームでの実績があると、高く評価される傾向があります。
どんな職場においてもコミュニケーション能力に優れている人は高い評価を受けます。
特に40代ミドルはそのコミュニケーション力を元に、時間をかけて広げた人脈を新しい職場でも活用することが求められます。
業界、職種によって求められる能力は異なりますし、上記すべてを完璧に備えている人はまずいないでしょう。
自分が人より秀でている能力とそれを活かした実績例を示し、同時に就職希望先である企業の業績を上げるために、具体的に何ができるかをアピールすることが大切です。
転職活動を始める前に、「なぜ転職をするのか」という理由・目的をまずは自分の中で明確にしておきましょう。
これは面接のときに必ず聞かれることなので、面接官を納得させられるような答えを準備しておく必要があります。
仕事の幅を広げたい、自分のスキルをもっと生かせる職場に転職したい、という動機はとてもポジティブです。
人事の評価基準、必要とされるスキル、仕事を通じて身につけられる能力は企業によってことなるため、転職がよいきっかけになるケースは数多く存在します。
ただし、面接の際に、会社への貢献よりも自身のキャリアアップやお金を優先していると思われないように注意しましょう。
業績が回復する見込みがない会社に勤め続けるよりは、転職活動をして安定企業への就職を目指した方が賢明です。
福島県にもグローバル化やIT化の流れは押し寄せており、変化への対応の取り組みに遅れが見られている企業や業界は、厳しい戦いを強いられています。そして、中長期的な視点で見た場合、厳しさは増していく事が予想されます。
採用面接では、安定志向を前面に出すよりは、前の会社で、業績回復のためにどのような努力をしたかをアピールした方が印象がよくなります。
都会を離れて、地方の企業に転職するUターン・Iターン就職の希望者も増えています。
40代の場合は、地元に戻って高齢の親を安心させたい、子どものために自然が多く環境のいい土地で暮らしたいという理由を挙げる人も多いようです。
地方の活性化に貢献したいとアピールすれば好意的に受け止められますが、面接ではその会社を希望している理由、身に付けたスキルや経験を活かして会社のために何ができるかを具体的に説明する必要があります。
福島県などの地方都市の企業では、都市部の最先端の商習慣や技術をもたらすよう転職者に期待している面もあるため、企業に対して提供できるノウハウやスキルが、アピール材料にもなります。
30代の頃に比べ体力に自信がなくなってきた40代は、ワークライフバランスを重視する企業への転職を考えても不思議ではありません。
ただ、それを強調しすぎると、「あまり働きたくないのか」と悪く受け取られてしまうので、面接では、残業時間の確認程度にとどめておくのが無難です。
実は転職の理由として一番多いのは人間関係のトラブルです。
しかし、それを正直に言うと、「協調性がない、新しい職場でもトラブルを起こしかねない」と思われてしまうので、採用面接で、この理由を持ち出すのはあまりおすすめしません。
本音と建て前をしっかりと意識して、転職のモチベーション材料としましょう。
40代は、マイホームのローン、子どもの教育費など家族のための支出も多い時期です。
また、親の介護や定年後のライフプランなども考え始める年代でもあります。
それまでの生活水準を保ち、今後に備えるために必要最低限の年収額を確認しておきましょう。
もちろん、給与額だけではなく、勤務時間や有給休暇日数、住宅手当などの福利厚生も考慮に入れながら、事前に希望条件を決めておけば安心。
回答を準備してあれば、面接で話が出たときもスムーズになります。

福島県で40代の方が転職をする際には、押さえるべきポイントをしっかりと押さえることが重要です。
ミドル層の転職はただでさえ長期化しがちですが、ポイントを押さえないといたずらに転職活動期間が長期化しがちです。なかなか出口の見えない転職活動を続けているうちに、モチベーションが低下してしまうケースも珍しくありません。
この章では、転職活動をする40代の方が押さえておきたいポイントを解説します。
転職活動を成功させるために、最も大切なのが情報収集です。転職ノウハウや求人情報などを徹底的に調べましょう。
具体的にはこんな方法があります。
転職情報サイト、求人情報誌、新聞の求人欄などを利用します。
最近では、ミドル世代に特化した情報サイトもあるので、年齢のミスマッチを避けるためにも活用するといいでしょう。
福島県内での就職を重視して転職情報サイトを使用する際には、企業の地域を「福島県」に限定し、さらに「転勤なし」などの条件検索をするとよいでしょう。また、転職情報サイトによっては、希望するエリアで条件に合った求人情報が掲載開始した際に、メールでお知らせをしてくれるように設定できるものもあります。
限られた情報であるからこそ、効率とスピードを意識して情報収集する事が重要です。
離職している人は、ハローワークにも足を運ぶという手もあります。
地方自治体によって、中高年の就職支援機関や窓口を設けているところもあるので、確認してください。
ただし、デメリットもあるので、まずはこちらでチェックしてから利用するかどうかを決めましょう。
転職エージェントは、就職情報媒体には紹介されていないような企業情報も把握しています。
また、コンサルタントが、相談者の希望にマッチした企業を提案し、相談者の市場価値を客観的に判断してくれるため、転職活動をスムーズに進められます。
メリット・デメリットをしっかりと把握した上で利用するかどうかを決めましょう。
ミドル層ならではの人脈を活かして仕事を通じて知り合った人だけではなく、友人・知人・サークル・出身校の卒業生ネットワークなども活用しましょう。
さらには、コネクションは選考時だけではなく入社後にも活用できます。例えば、顧客や仕入れ先の開拓、信頼できる情報源としてコネクションを活用することを想定して面接に挑むことで、自分自身のスキル以上のアピールをすることも可能です。
その際に、競業避止義務違反をはじめ、元々在籍していた企業に対して迷惑となる行為をしないように注意する必要があります。
履歴書や職務経歴書といった応募書類では、できるだけ平易で読みやすい文章を意識しましょう。
字の上手い下手ではなく、丁寧に書いているかどうかです。
当然ですが、誤字脱字にも気を付けましょう。
いずれの書類も転職エージェントで添削してもらえば確実です。
履歴書は形式に従って必要事項を書くものですが、第一印象を大きく左右するとても大事な書類です。誤字脱字には気を付けましょう。
また、ここできちんと担当者の注意を引く自己PRをしないと、足切りの対象になるため内容もしっかり考えましょう。
職務経歴書は、自由形式であるために情報をたくさん盛り込む人がいますが、経歴は簡潔に書きましょう。
応募条件に合ったスキルや経験があることを強調しながら、自分自慢にならないように自己PRすると効果的です。
職務経歴書の書き方はこちらの記事から
面接で大事なポイントは、身だしなみ・言葉遣い・態度の3つです。
面接官が自分より年下でも、謙虚な態度で挑みましょう。
また、過去の経験や業績をアピールするだけではなく、新しいことに取り組むチャレンジ精神を見せるのもポイントです。

景気が上向いて有効求人倍率が上昇傾向であっても、条件にあった転職先を見つけることは容易ではありません。
特にミドル世代の採用は、今後の経営戦略に大きく関わる可能性があるので、企業側も慎重になる傾向があります。
ただ、50代になると転職は難しくなるので、今がラストチャンスになるかもしれません。
自身の希望を叶えるためにも、粘り強く転職活動を続けましょう。
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神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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