更新日:2025/09/30
一般的に、方言が強いといわれる東北地方。福島県にもさまざまな方言があり、日常会話でよく使うという人も多いのではないでしょうか。
方言がコミュニケーションを円滑にしてくれることもありますが、状況によっては方言が失礼にあたる場合もあります。
特に気を付けなければならないのが、ビジネスシーンでの方言の使用です。
では、どういったケースで特に気を付けなければならないのでしょうか。
今回は、方言に関するビジネスマナーと福島県のビジネス方言を紹介します。
福島県出身の方も、これから福島県で働くという方もぜひ参考にしてみてください。

絶対ということはありませんが、方言と標準語を状況によって使い分けるのが理想です。
方言が適切な場面、不適切な場面を見極め、コミュニケーションを上手に取りましょう。
取引先や仕入先など社外の人と会話するときには、基本的に方言は避けた方が無難です。
特に目上の人や初対面の人に方言を使うと、失礼にあたるだけではなく自身の印象を悪くしてしまう恐れがあります。
ただし、ある程度の信頼関係が築けている人と接するときや、相手が方言を使っているのであれば、方言を使用しても良いでしょう。
出身地が一緒であれば会話が盛り上がり、打ち解けるきっかけになるかもしれません。
建設業やサービス業、飲食業においてはむしろ方言を使った方がコミュニケーションがスムーズになることもあるようです。
何気ない雑談の場であれば許容範囲ですが、社内で方言を使うときは相手と状況に合わせて使い分けましょう。
言葉によっては意味が通じない、「田舎者」と茶化される可能性があるかもしれません。
また、いくら付き合いが長い上司でも、目上の人への方言は避けた方がいいでしょう。
会議やプレゼンなど、かしこまった場でも方言は不適切です。
新卒、中途関係なく面接時の「方言」は避けた方が無難ですが、絶対にNGというわけではありません。
企業によっては、郷土愛や人の良さなどをアピールできる可能性もあります。東北ということもあり、方言をあまり気にしない地元企業やベンチャー企業も多いようです。
ただし、相手に伝わらなければ意味がありません。入社後にも標準語は使うので、練習をしておいた方が良いでしょう。

方言にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれを把握した上でTPOに合わせて使い分けましょう。
方言には人間らしいあたたかさがあり、とっつきやすい印象を与えます。
特に、女性が方言を使うと言葉に柔らかみが出て、好感を持たれる傾向にあります。
平昌五輪で一躍有名になったカーリング女子の北海道弁「そだねー」が良い例です。
また、方言で職場や取引先に同郷の人がいることがわかると、それだけで打ち解けられることもあります。
方言はあたたかみが感じられる一方で、どうしてもくだけた印象になるので、ビジネスシーンにはふさわしくないと考える人が多いようです。
敬語を使う機会が多いビジネスシーンで方言が出てしまう人を「正しい言葉遣いができていない、適応力が乏しい人間」と判断する人もいるようです。
また、話し相手が方言を理解していないと、意思の疎通が取りにくく、誤解を与えてしまう恐れがあります。
イントネーションの違いなどを不快に思う人もいるので、ビジネスシーンでは標準語を意識しておくのが無難でしょう。
同じ福島県内でも、地域によって使われる方言は微妙に変わってくるようです。
ここでは、福島県の方言の中でも特に有名な福島弁(福島、郡山)、相馬弁(相馬、双葉)、会津弁(会津若松、奥会津)の3つに分けて紹介します。
福島県の中心地・郡山市が位置する県中地方や、県庁所在地の福島市がある県北地方では、主に福島弁が使われています。
数多く存在する福島弁の中でも、ビジネスシーンで使われやすいものを紹介します。
(例)「次の駅でおぢるべ」
【意味】「次の駅で降りよう」
「おぢる」は、「(乗物から)降りる」という意味で使われる福島弁です。
「落下する」という意味でも使われる言葉なので、シチュエーションに応じて違いを判断しなければなりません。
(例)「できたがい?」
【意味】「できましたか?」
文末に「がい」を付けると、「~ですか?」「~でしたか?」という意味になります。
現在も、高齢者から若者まで幅広く使われている方言で、郡山市や福島市では特に耳にする機会が多いでしょう。
(例)「じろじろ見られて、かからしい」
【意味】「じろじろ見られて、気になるなあ」
「気になる、気に障る」という意味を持つ「かからしい」も、老若男女問わず広く使われる方言です。
ほとんど同じ意味で「かがらしい」を使う人もいます。
福島県は「浜通り方言」が有名ですが、その中でもいわき弁と相馬弁のふたつに大別できます。
福島県内でも多くの人口を有する相馬地方で使用される相馬弁は、職場で耳にすることも多いでしょう。
・「しけ」
(例)「明日は寒いんだしけなあ」
【意味】「明日は寒いだろうなあ」
「しけ」は「~らしい」という意味があり、伝聞・推量の助動詞として使われます。
同じ意味で「すけ」と使われることも多いようです。聞き慣れない人にとっては難度が高いので、職場では控えめにしましょう。
(例)「私もせでって!」
【意味】「私もつれていってください!」
「せでぐ(せでんぐ)」は、「連れていく」という意味があります。
相馬地方の中でも、特に南相馬市で多く使われているようです。
「せでぐ」の反対語は「せでぐる」で、「連れてくる」という意味があります。
(例)「おだづな!」
【意味】「調子に乗るなよ!」
「おだづ」は「おだて」られて、調子に乗ってしまっている人の様子をあらわす言葉です。
勘のいい人はピンとくるかもしれませんが、知名度は高くないなので、過度な使用は避けましょう。「しゃしゃり出る」という意味で使う人もいるようです。
会津弁は会津地方で使われていますが、会津若松市と奥会津でニュアンスや言葉の響きが変わってくることが多いようです。
(例)会津若松市:「とんでがねーど、間に合わねなーし」
奥会津地方:「はねでがねーど、間に合わねーべー」
【意味】「走っていかないと間に合わないよ」
会津若松市内では「飛ぶ」、旧田島町周辺では「跳ねる」で、「走る」という意味があります。
会津若松・奥会津共通で競争のことを「くら」と呼ぶため、マラソン大会は「飛びくら」、「跳ねくら」といわれるようです。
(例)「その書類、たがって、こっちさこぉ」
【意味】「その書類持って、こっちにこい」
「たがぐ」は「~を持つ」という意味で使われる方言です。「たがってぐ」で、「持っていく」という意味になります。
福島県だけではなく、秋田県や宮城県、山形県などの東北地方では「たなぐ」と使われることもあります。
(例)「早ぐあいばせ」
【意味】「早く行きましょう」
「あいばせ」は「~へ行きましょう」、「あいべ」はもう少し砕けていて「~へ行こうよ」という意味を持つ方言です。
使用頻度が高いため、ついつい使ってしまう人もいるのかもしれません。
ここまでで紹介した福島県の方言はほんの一部です。
ここでは地域は関係なく、クスっと笑えるおもしろ方言を紹介します。
(例)「資料いきなりいいっぺ渡された」
【意味】「資料をとてもたくさん渡されたよ」
「いきなり」は相馬地方では「急に」という意味ではなく、「とても、非常に」という意味で使います。
誤解される可能性が高いので、職場では使わないようにしましょう。「いきなし」という人もいます。
(例)「家へはいらんしょ」
【意味】「家へ上がってください」
「はいらんしょ」は「入る」がなまった方言ですが、いきなり言われてすぐに理解できる人はなかなかいないでしょう。
かわいらしく、丁寧な表現として使われますが、砕けた響きになるのでビジネスシーンでは避けた方が良いかもしれません。
(例)「びっちゃんこ、しずかに」
【意味】「水たまりに気を付けて」
福島県では、水たまりを「びっちゃんこ」と表現します。初めて聞く人もなんとなくイメージできるでしょう。
ちなみに「しずかに」は「気を付けて」という意味で、福島では広く使われている方言だそうです。
福島県は東北地方の中でも最も南部に位置するため、関東地方の方言が混じっている地域も多いようです。
青森県や岩手県と比べると、比較的聞き取りやすいのもこのためです。
しかし、東北弁特有の「なまり」が強い地域も少なくはありません。
初めて聞く人には理解できない方言も多いので、誰でもわかる話し方をすることがマナーとされているビジネスシーンでは、極力使用を避けましょう。
特に20~30代前半で方言を使っている人は少数派であるため、日常的に使うと社内で浮いてしまうこともあります。
転職したばかりの職場では、社内の企業文化や雰囲気に合わせて使用するように心がけましょう。
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医療系商社で基幹病院を担当し、医師や経営・管理部門、各メーカーとの関係構築に努める。東北に貢献したいと考え、地元の人材紹介業へキャリアチェンジ。日夜、転職希望者と企業の最高の出会いを追及している。趣味はボルダリングとダーツ。
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