全国第2位の広大な畑地を擁し、農業を基幹産業としながら、宇宙関連産業や観光業など独自の強みを持つ鹿児島県。地元で長く働きたい方にとって、地域に根ざした優良企業の存在は大きな魅力です。
本記事では、2026年4月現在の最新公的統計(令和6年〜7年公表資料)および2025年3月期決算データに基づき、鹿児島県の平均年収、男女・年齢別の賃金格差、さらに県内企業の高年収ランキングTOP9まで、有益な情報をまとめて解説します。
目次
鹿児島県の最新平均年収は426.1万円(参照*1)で、全国40位。九州地方では福岡県、大分県、熊本県に次いで、4番目に高い年収となっています。
平均年収は、厚生労働省が2026年に発表した「令和7年賃金構造基本統計調査」で公表されている毎月の賃金に、時間外勤務や休日出勤などの手当、ボーナスなどの特別給与を加えて算出しています。「賃金構造基本統計調査」は、毎年、厚生労働省が労働者の賃金についての調査を行い、調査結果を公表したものです。
■2026年発表 都道府県の平均年収ランキング(上位および鹿児島県)
| 順位 | 都道府県 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 675.2万円 |
| 2位 | 神奈川県 | 598.6万円 |
| 3位 | 愛知県 | 578.4万円 |
| 4位 | 大阪府 | 573.1万円 |
| 5位 | 滋賀県 | 534.2万円 |
| 6位 | 兵庫県 | 531.0万円 |
| 7位 | 三重県 | 528.1万円 |
| 8位 | 茨城県 | 524.2万円 |
| 9位 | 京都府 | 519.6万円 |
| 10位 | 広島県 | 516.9万円 |
| 40位 | 鹿児島県 | 426.1万円 |
|---|
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(2026年公表)」のデータをもとに算出
2026年最新の鹿児島県の平均年収を男女別で見ると、男性のほうが142.5万円ほど高くなっています。
平均勤続年数を見ると、男女で3.8年の差があり、男女の年収差に影響を与えていると考えられます。
■2026年最新 鹿児島県の男女別平均年収
| 区分 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 426.1万円 | 44.5歳 | 12.4年 |
| 男性 | 488.2万円 | 45.8歳 | 13.9年 |
| 女性 | 345.7万円 | 42.6歳 | 10.1年 |
※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに算出(参照*1)
2020年から2026年にかけての鹿児島県の平均年収の推移を追っていくと、物価上昇に伴うベースアップの影響もあり、上昇傾向にあります。
■鹿児島県の男女別平均年収の推移

※厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」~「令和7年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに算出(参照*1)
続いて、最新の鹿児島県の平均年収を、5歳ごとに男女別で見ていきましょう。平均年収は男性が50~54歳、女性が45~49歳にピークを迎えており、特に男性は20代から50代前半まで平均年収は伸びています。
ただし、男性の平均年収の伸びに比べると女性の上昇率は小さくなっています。
■2026年最新 男女別鹿児島県の年齢別平均年収

※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに算出(参照*1)
総務省が発表した2026年度(令和7年度)の「市町村税課税状況等の調」のデータによると、鹿児島県で最も平均所得(※)が高い市町村は、325.4万円の十島村でした。
※平均所得は、全国の市町村別課税対象所得をもとに計算した(各市町村の課税対象所得を、納税者義務者数で割ったもの)ものです。
■2026年最新 鹿児島県の市町村平均所得ランキング
| 順位 | 市町村 | 平均所得 |
|---|---|---|
| 1位 | 十島村 | 325.4万円 |
| 2位 | 鹿児島市 | 318.2万円 |
| 3位 | 三島村 | 311.5万円 |
| 4位 | 霧島市 | 295.6万円 |
| 5位 | 薩摩川内市 | 288.4万円 |
| 6位 | 南種子町 | 287.1万円 |
| 7位 | 奄美市 | 282.9万円 |
| 8位 | 鹿屋市 | 280.4万円 |
| 9位 | 徳之島町 | 279.1万円 |
| 10位 | 姶良市 | 275.2万円 |
※総務省「令和7年度 市町村税課税状況等の調」(参照*2)のデータをもとに算出
平均所得が300万円を超える鹿児島県の市町村は3つです。鹿児島県の県庁所在地である鹿児島市は、318.2万円で2位に位置しています。1位の十島村、3位の三島村は、ともに南部に位置する島しょ部の村です。
企業規模ごとの年収データを見ると、従業員1000人以上の会社で平均505.2万円、100~999人規模では438.4万円、99人以下だと381.2万円という数字が示されています(参照*1)。比較的大きい企業のほうが給与水準は高い傾向ですが、組織の規模が小さいほど社員一人ひとりに求められる役割が幅広く、実務経験を積む機会が多いといったメリットもあります。
また、毎月勤労統計調査地方調査結果(令和7年公表版)では、規模5人以上の事業所における1人平均月間現金給与総額が約27.8万円、規模30人以上では約31.2万円と報告されています(参照*3)。基本的に大きい規模の事業所ほど平均給与はやや高めですが、県内には支店や営業所を複数構える企業も多く、給与以外の福利厚生やキャリアアップの支援制度など総合的に検討することがポイントです。
鹿児島の月間現金給与総額を内訳で見ると、定期給与が約23.5万円、所定内給与が約22.1万円、特別給与(ボーナスなど)が約4.3万円とされています(参照*3)。近年はパートタイム労働者数も増えており、賃金体系の多様化が進むことで、平均データでは見えにくい働き方の広がりが生まれています。
労働時間に関しては、規模5人以上の事業所で平均月間総実労働時間が139.2時間、30人以上の事業所では145.5時間と報告され、所定外労働時間は5人以上で9.8時間、30人以上で12.1時間でした(参照*3)。出勤日数はおよそ18日前後であり、これらの数値は残業状況や有給消化率などを考慮する際の参考になります。
鹿児島を含む九州全体の景気は、2026年度に実質域内総生産の成長率が+1.5%に達する見込みとされています(参照*4)。地元の半導体関連投資やインバウンド消費の回復が背景にあり、県内企業でも賃金上昇の機優が続くと期待されています。
設備投資が堅調に推移する一方、食品加工や物流などでは活発さを維持する見通しです(参照*4)。さらに、株式会社野村総合研究所の「成長可能性都市ランキング」では、鹿児島市は将来の都市発展性で全国上位にランクインしており、地域経済の伸びしろに注目が集まっています(参照*5)。こうした動向は、県内で働く人々の収入や待遇にも影響を及ぼす可能性があるため、最新の経済指標を定期的に確認することがポイントです。
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30~99人規模(産業計)では、現金給与総額が28.5万円で、内訳は 定期給与24.2万円(所定内22.5万円+超過労働1.7万円) と 特別給与4.3万円 です(参照*6)。
以降のこの資料を用いた産業別比較は、この水準を「基準線」とします。
30~99人規模で最も高いのは 電気・ガス・熱供給・水道業 で、現金給与総額62.1万円です。内訳を見ると 定期給与48.2万円に加え、特別給与13.9万円と超過労働5.8万円が大きく、月次の「厚み」を作っています。
次に 金融業・保険業 は、30~99人規模で 現金給与総額48.5万円、定期給与40.2万円、特別給与8.3万円という構成です。超過労働は2.3万円で、特別給与の比率が相対的に目立ちます。建設業も水準が高く、30~99人規模で 現金給与総額46.2万円です。特別給与10.2万円が大きい一方、超過労働2.8万円も一定の寄与があります。
情報通信業は、30~99人規模で 現金給与総額44.5万円、特別給与9.9万円となっており、特別給与の厚みが年収感を押し上げやすい構造です。
一方で、同じ「高め」の中でも性格が違うのが 運輸業・郵便業 です。30~99人規模で 現金給与総額34.8万円ですが、内訳の特徴は 超過労働5.6万円が大きい点にあります。
つまり、特別給与よりも「所定外労働の積み上げ」で総額が伸びやすいタイプの産業として読めます。
製造業は、30~99人規模で 現金給与総額27.5万円、定期給与23.2万円、特別給与4.3万円です。超過労働(2.4万円)も一定あり、定期と所定外、特別給与がバランスして総額を作っています。
卸売業・小売業は、30~99人規模で 現金給与総額21.5万円、特別給与2.2万円です。月次(定期給与)のレンジ自体が抑えめになりやすく、特別給与も大きくはなりにくい構造が表に出ています。さらに低いのが 宿泊業・飲食サービス業 で、30~99人規模の 現金給与総額は12.5万円、内訳は 定期給与11.8万円、特別給与0.7万円です。超過労働は1.1万円で、所定外があっても特別給与が小さいため、総額が上がりにくい形です。
同じ産業でも、100人以上の規模で水準が変わるケースがあります。たとえば 情報通信業(100人以上) は 現金給与総額54.2万円で、特別給与11.1万円も大きくなっています。電気・ガス・熱供給・水道業(100人以上) も 現金給与総額52.5万円で、特別給与が13.5万円となっています。
鹿児島県は、住宅・土地統計調査による平均家賃が4万1,200円と報告されています(参照*7)。これは全国平均よりも低めの水準です。都市部と比較すると家賃相場が抑えられているため、同じ収入でも広い住居を確保しやすい傾向があります。
この数字は地域全体の平均であるため、中心部や交通の便が良いエリアではやや高くなる一方、離島や郊外ではさらに安価な物件も見つかります。家計に占める住居費の割合が下がることで、可処分所得や貯蓄余力が増える点も注目されています。
住居費が低い一方で、物価や公共料金など他の生活コストは同程度かやや高めと感じる人もいます。2026年度の九州における民間消費の伸びは+0.5%とされつつも、物価上昇が続き消費意欲を抑制している可能性が指摘されています(参照*4)。食品価格や光熱費の高騰が家計に影響する場面では、慎重な支出管理が求められます。
ただし、鹿児島県では地元産の食材が豊富に流通しているため、季節ごとに手頃な価格で野菜や魚介、畜産品を手にしやすいメリットもあります。調味料や米なども地元ブランドがあるため、生活費のやりくりは工夫次第で十分にコントロールしやすいといえます。
将来的には設備投資や物流拡大の見通しから、企業による雇用情勢や給与水準のアップが期待されている一方、人手不足の影響で賃金上昇にブレーキがかかる可能性も指摘されています。こうした景気の波を踏まえつつ、手取り額と実際の生活費を照らし合わせることが重要です。
鹿児島特有の気候と地形を生かした暮らし方が広がっており、水産資源や農産物の産地直送など、多様な節約や副収入の手段も存在します。給料から差し引かれる住民税や保険料の水準は全国平均に準じますが、家計における余剰資金を地域のレジャーや文化活動に活かしやすいことは、鹿児島で生活する際の大きな魅力です。

鹿児島県西部のいちき串木野市は、かつて金鉱業や遠洋マグロ漁業のまちとして発展し、現在は芋焼酎やさつま揚げの産地としても知られています。近年は青年経済団体YEGが合同企業説明会や企業動画制作などを行い、高校生の地元就職を後押しする取り組みを進めています(参照*9)。
また、同県大崎町ではスポーツを基軸としたまちづくりを進め、新たな雇用創出や交流人口の拡大を目指しています(参照*10)。このように、地域ごとの特性を活かした多様な取り組みが行われており、観光・農業・食品加工・スポーツ関連など、多彩なキャリアパスが開けることが鹿児島で働くうえでの魅力です。
県内企業の中には、かごしま黒豚や黒牛を一貫して生産・加工・販売する南州農場株式会社のように、地域産業の強みをいかした事業を展開する例があります(参照*11)。新入社員が研修期間に農場や加工工場を幅広く体験できる仕組みがあり、現場と技術を総合的に学べる点が評価されています。
さらに、鹿児島市では米盛建設を中心とする企業グループが、カンボジアなど外国人材との文化交流イベントを開き、社内での多様な働き方を積極的に取り入れています(参照*12)。
鹿児島県は温泉資源の豊富さも特徴で、吹上温泉のように古くから湯治・保養で親しまれた場所があります(参照*13)。歴史ある温泉地では宿泊業務や調理、客室清掃などの職種を複合的に経験できる求人があり、接客スキルや地域の観光知識を同時に身につけることが可能です。
海や山に近く、四季を通じてアウトドアレジャーを楽しめる環境も、鹿児島ならではの強みです。休日は釣りやトレッキング、温泉巡りなど多彩な自然に触れながらリフレッシュし、その経験を仕事に活かすことができる点は、都会にはない働く魅力といえます。
鹿児島は県内総生産の産業構造の中で一次産業が一定の存在感を持ち、農業産出額も全国上位です。畜産が農業産出額の大きな割合を占める点も特徴です(参照*14)。
年収を上げる方向は、作る側の現場労働に留めず、加工(食品・飼料・冷凍等)/品質保証/設備保全/販売企画/輸出・規格対応のように、同じ「食・畜産」でも付加価値が乗る工程へ役割を移していくことです。県としても、茶や焼酎、さつまいもなどの産地特性を前提に産業を説明しています(参照*15)。
鹿児島は南北に長く、離島も含むため、調達・在庫・配送の設計が事業の成否に直結しやすい地域です。ここで年収が伸びやすいのは、運行管理・配車、倉庫運営、需要予測、冷蔵冷凍の品質管理、調達購買、現場改善(安全・原価・歩留まり)のような「運ぶ・止めない・不良を出さない」職能です。一次産業や観光の比重が大きい県ほど、この職能が産業横断で効きます(参照*14)。
種子島はロケット射場を核に、地域の経済波及効果が分析されており、宇宙関連は「射場の中」だけでなく周辺産業まで裾野を持ちます(参照*16)。
狙いどころは、宇宙工学の研究職よりも、県内で採用が成立しやすい施設・電気設備、通信、保全、警備・安全、輸送、建設、運営支援などの周辺職です。必要資格や経験が明確なので、学び直し(電気・設備系、IT運用、品質・安全)を年収に変換しやすい領域でもあります。
鹿児島は、県内本店の上場企業でも平均年収の上位レンジが可視化できます。たとえば新日本科学や鹿児島銀行などは、iRbankで平均年収や平均勤続年数が確認できます。
年収アップの実務は、社名を眺めることではなく、そこに入るために職種要件(営業・企画・財務・IT・品質・設備など)を満たす経験を積むことです。鹿児島の場合、「食品・畜産×品質」「物流×改善」「設備×保全」のように、県の基幹産業と接続する職能が作りやすいのが強みになります(参照*8)。
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鹿児島県内に本社を置く上場企業の最新有価証券報告書(参照*8)に基づき、年収の高い9社を詳解します。

国内最大手の医薬品開発受託機関(CRO)。高度な専門技術を持つ研究職を多く抱え、グローバルに事業を展開しています。

鹿児島県内を中心に64店舗を展開。最新決算でも堅調な水準を維持しています。

県内最大のシェアを誇る地方銀行。地域経済の中核として、福利厚生と賃金水準の高さは安定しています。

半導体・FPD製造装置向けの真空部品加工で高い世界シェアを誇る精密加工メーカーです。

PC橋梁の設計・施工大手。インフラ整備に欠かせない独自技術を持っています。

農薬、木材防虫剤等の製造・販売を手掛ける、農業大県鹿児島を支える基盤企業です。

鶏肉加工の最大手。飼育から販売まで一貫体制を確立し、高い収益性を誇ります。

エネルギー、フード、ライフスタイルの3事業を軸に多角経営を行っています。

九州全域で学習塾を運営。教育ICTの導入などで成長を継続しています。
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鹿児島県の平均年収や家賃など、数字上では全国水準と比べて見劣りする面もあるかもしれません。しかし、自然環境の豊かさや人とのつながり、生き生きとした産業の多様性は働くモチベーションを高める要素となります。
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