三重県の県庁所在地である津市は、海・山・川に囲まれた自然環境と都市機能が共存する街です。移住先を検討するうえでは、生活コストや仕事の見通し、子育て環境、地域との関わり方など複数の観点を事前に整理しておくことが欠かせません。
津市への移住では、交通の利便性や豊かな食文化に加え、農林業での就業事例や三重県の移住支援制度を活用できる点が強みとなります。本記事では、津市の基本情報から住まい・仕事・支援制度まで、移住検討に必要な情報を順に紹介します。
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津市は三重県のほぼ中央に位置する県庁所在地です。東側は伊勢湾に面し、西側は布引山地や青山高原へと続く山間部が広がっています。南北に長い市域を持ち、海沿いの平野部から山あいの集落まで多様な地形が含まれるのが特徴です(参照*1)。
鉄道では近鉄名古屋線とJR紀勢本線が市内を走り、津駅は両路線が乗り入れる拠点駅となっています。近鉄特急を利用すると名古屋駅まで約50分、大阪難波駅まで約1時間40分で到着できます。また、伊勢自動車道や国道23号線が市内を縦断しており、車での移動も便利です。津なぎさまちから中部国際空港(セントレア)への高速船も運航されているため、空路へのアクセスも確保されています(参照*1)。
移住を考える際には、鉄道沿線か車中心の生活になるかで住むエリアの選び方が変わります。名古屋・大阪への通勤や二拠点利用を想定する場合は、近鉄沿線の駅近エリアが候補に挙がりやすいといえます。
津市は2006年に旧津市を含む10市町村が合併して誕生しました。合併により市の面積は約711平方キロメートルと三重県内で最大となり、都市部から農村部、山間部までを一つの自治体がカバーしています(参照*2)。
津市の住民基本台帳によると、令和8年4月30日現在の人口は265,141人、世帯数は129,894世帯です。内訳は男性129,162人、女性135,979人となっています(参照*3)。
県庁所在地として県庁や国の出先機関、三重大学などの教育機関が集まっており、行政・教育の中心地として機能しています。中心市街地にはショッピング施設や医療機関がそろう一方、白山や美杉といった郊外・山間部では農林業が営まれ、静かな暮らしを求める人にも選択肢があります(参照*4)。
こうした街の幅広さは、移住者が自分のライフスタイルに合わせてエリアを選べるという点で大きな特徴です。都市的な利便性を重視するか、自然に囲まれた環境を優先するかによって、同じ津市内でもまったく異なる暮らし方が可能になります。
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津市は、住居費を抑えながら暮らしやすい地域です。LIFULL HOME’Sの家賃相場情報では、津市全体の家賃相場は、ワンルームが4.69万円、1Kが4.05万円、1DKが4.06万円、1LDKが6.44万円、2DKが4.73万円、2LDKが6.61万円、3DKが5.06万円、3LDKが10.32万円となっています(参照*5)。

もちろん、築年数や駅からの距離、駐車場の有無によって実際の家賃は変わりますが、単身世帯であれば4万円台、二人暮らしや子育て世帯では6万〜10万円台が一つの目安になります。津市の場合、家賃を抑えた分を食費や教育費に充てやすく、生活全体のコストバランスを取りやすいのが利点です。住居費の負担感が小さいことは、移住後の暮らしの安定に直結します。
津市は東に伊勢湾、西に青山高原、市内を雲出川や岩田川が流れるなど、海・山・川の三拍子がそろった自然環境を持っています。御殿場海岸や阿漕浦海岸は潮干狩りや海水浴の名所として親しまれ、青山高原では風力発電の風車群を望むハイキングが楽しめます(参照*6)。
気候は太平洋側気候に属し、冬でも比較的温暖です。積雪が少ない平野部では年間を通じて穏やかに過ごせます。美杉地域など山間部では標高が高い分、夏場でも涼しさを感じられる場所があり、牛舎が木々に囲まれているため夏でも涼しいとする現地の声もあります(参照*7)。
自然が身近にある暮らしは、休日のレジャーだけでなく日常的な散歩やジョギングにも恩恵をもたらします。海と山のどちらに近い暮らしを求めるかで居住エリアを絞ると、移住後の満足度を高めやすくなります。
津市を語るうえで欠かせないのが、地域に根づいた食文化です。「津ぎょうざ」は直径15センチほどの大きな揚げぎょうざで、もともと学校給食のメニューとして誕生し、いまでは市内の飲食店や催事で広く提供されています。揚げたての皮のパリッとした食感が特徴で、津市のご当地グルメとして全国的に知られるようになりました(参照*8)。
また、津市は松阪牛の産地としても有名な松阪市に隣接しており、市内でも松阪牛を扱う飲食店や精肉店があります。伊勢湾で水揚げされる新鮮な魚介類も食卓を彩り、海の幸と山の幸を日常的に楽しめる環境が整っています。
移住先の食文化は、暮らしの満足度を左右する要素の一つです。津市では地元の農産物を扱う直売所も点在しており、旬の食材を手頃な価格で入手しやすい点も見逃せません。
津市は県庁所在地として、保育施設や小中学校、高校、大学まで幅広い教育機関が集まっています。三重大学をはじめとする高等教育機関が市内にあり、進学先の選択肢を地元で確保できるのは子育て世帯にとって心強い要素です。
公園や児童館、図書館といった子育てに関わる公共施設も市内各所に設けられており、休日に家族で過ごせる場所が身近にあります。海岸や山間部のキャンプ場など自然を活かした体験の場が豊富なことも、津市の子育て環境の特色です(参照*9)。
移住後の子育て環境を見極めるには、住みたいエリアの保育所の空き状況や通学距離を具体的に確認しておくことが大切です。中心市街地と郊外では施設の密度や通学事情が異なるため、家族構成や子どもの年齢に応じたエリア選びが求められます。

津駅周辺は、近鉄名古屋線とJR紀勢本線を利用できる交通利便性の高いエリアです。駅周辺には三重県庁などの行政機能があり、駅前には商業施設も立地しているため、通勤・通学や日常の買い物に便利な環境が整っています(参照*10)。
また、駅周辺ではまちづくりや整備が進められており、利便性を重視して住まいを探す人にとって検討しやすいエリアといえるでしょう(参照*11)。一方で、駅近物件は築年数や設備、立地によって家賃に差が出やすいため、予算や通勤手段に合わせて比較検討することが大切です。
津市南部の久居エリアは、近鉄久居駅を中心に商業施設や医療機関が集まった生活拠点です。津駅から近鉄で10分ほどの距離にありながら、中心部よりも家賃や土地の価格が抑えられる傾向にあります。住宅地が広がり、子育て世帯がマイホームを建てるエリアとしても選ばれています(参照*12)。
白山や美杉といった西部の山間エリアは、農林業が盛んで自然に囲まれた暮らしを求める人に適しています。津市の無形文化財に指定されている丹生俣大神楽のように、地域の伝統行事が今も受け継がれている集落もあり、地域との関わりを大切にしたい移住者にとっては魅力的な環境です(参照*13)。
郊外エリアに住む場合、車は生活必需品となるケースがほとんどです。通勤や買い物の移動手段を前提にしたうえで、どの程度の自然環境や静けさを求めるかを軸にエリアを絞ると、暮らしの方向性が定まりやすくなります。

津市は伊勢湾に面しているため、南海トラフ地震に伴う津波や高潮のリスクが指摘されています。市が公表しているハザードマップでは、沿岸部を中心に浸水想定区域が示されており、住まい選びの前に必ず確認しておきたい資料です(参照*14)。
河川沿いのエリアでは洪水時の浸水深が表示されており、雲出川や岩田川の流域で想定されるリスクを把握できます。山間部では土砂災害警戒区域に指定されている箇所もあるため、郊外への移住を検討する場合も地図上での確認が欠かせません(参照*14)。
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津市は県庁所在地であるため、行政機関やサービス業、医療・福祉関連の求人が一定数あります。また、北部の工業地帯では電子部品や輸送用機器の製造業が集積しており、製造業の求人も見つかりやすい地域です(参照*15)。
農林水産業も津市の産業基盤の一つです。美杉地域を中心とした林業や、平野部の稲作・野菜栽培、伊勢湾での漁業が営まれています(参照*16)。
移住後の仕事を探す際は、ハローワーク津や三重県の就職支援サイトに加え、移住相談窓口を通じて地域の求人情報を得ることも有効な手段です。業種ごとの求人の偏りを事前に把握しておくと、移住後のミスマッチを防ぎやすくなります(参照*17)。
津市は名古屋・大阪方面へのアクセスがよく、テレワークを主体にしながら必要なときだけ都市部のオフィスへ出社する働き方も検討しやすい地域です。津市では、近鉄名古屋駅から津駅まで近鉄アーバンライナーで最速43分、難波駅から津駅まで最速81分と案内されています。毎日の通勤には距離を感じる場合でも、月に数回の出社であれば、都市部の仕事を続けながら津市に生活拠点を置く選択も可能です(参照*18)。
国土交通省も、地方への人の流れを広げる取り組みとして二地域居住を推進しており、住まい・なりわい・地域住民との交流環境の整備を重要な要素に挙げています。実際に検討する際は、勤務先のテレワーク制度、出社頻度、交通費、家族の生活動線を確認し、無理なく続けられる働き方かを見極めることが大切です(参照*19)。

三重県では、東京23区に在住または東京圏から通勤していた人が、一定の条件を満たしたうえで県内に移住し、対象の中小企業に就職する、テレワークを継続する、関係人口要件を満たすなどした場合に移住支援金を支給する制度を設けています。令和8年度版の三重県移住支援金では、支給額は世帯で100万円、単身で60万円です。18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は、18歳未満の者1人につき最大100万円が加算されます(参照*20)。
主な移住元要件として、住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上、東京23区内に在住していたこと、または東京圏の条件不利地域以外に在住して東京23区内へ通勤していたことが必要です。さらに、住民票を移す直前に連続して1年以上、同様の在住・通勤要件を満たしている必要があります。申請には就業要件や居住要件など複数の条件があるため、三重県や津市の公式サイトで対象条件を事前に確認しておく必要があります(参照*20)。

津市の移住支援補助金交付要綱も令和8年4月1日施行の改正が行われています。条件を満たさないまま移住してしまうと支援金を受けられない場合があるため、計画段階で窓口に相談しておくと手続きを進めやすくなります(参照*21)。
津市では子育て世帯に向けた医療費助成制度が設けられています。令和8年4月からは、子ども医療費の助成対象が高校生年代、つまり18歳に達した最初の3月31日までに拡大され、助成方法も窓口無料となりました。対象は、津市内に住所を有し、医療保険に加入していて、生活保護を受けていない0歳から高校生年代までの子どもです(参照*22)。
住まいに関しては、津市が空き家情報バンク制度を通じて移住希望者と空き家所有者をつなぐ取り組みを行っています。津市内にも登録物件があり、賃貸だけでなく購入を含めた住まい探しの選択肢が広がります(参照*23)。
また、津市では空き家有効活用推進事業として、リノベーション等に要する費用の3分の1、上限100万円を補助する制度があります。対象となるのは、市内に本店・支店・営業所がある建設業者による、移住者が居住するために必要な改修工事などです。補助対象者には、工事完了後30日以内に津市へ転入届を提出する移住者や、移住者と売買契約または賃貸借契約を締結した空き家所有者などが含まれます。申込は随時受け付けられていますが、予算に限りがあるため、利用する場合は事前に都市政策課へ確認しましょう(参照*24)。
子育て支援と住まいの支援は、移住先を決めるうえで生活基盤に直結する制度です。利用できる制度を見落とさないためにも、移住前に津市の担当課や三重県の移住相談窓口に問い合わせ、自分の世帯構成に合った支援策を洗い出しておくと安心です。
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津市は、交通の利便性と豊かな自然環境を兼ね備え、農林業から二拠点居住まで多様な暮らし方を受け入れられる街です。生活コストの抑えやすさや子育て環境の充実、移住支援金といった制度面の後押しも移住先としての強みとなっています。
移住は暮らし全体を変える大きな決断です。本記事で紹介したエリアの特徴や支援制度、先輩移住者の事例を参考にしながら、津市の移住相談窓口やオンラインイベントを通じて、自分に合った暮らしの形を具体的に描いてみてください。
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