一般的に、方言が強いといわれる東北地方。宮城県にもさまざまな方言があり、日常会話で多用しているという人もいるのではないでしょうか。
方言がコミュニケーションを円滑にしてくれることもありますが、ビジネスシーンとなれば使い方に気を付けなければいけません。
状況によっては方言が失礼にあたる場合もあります。
では、どういったケースで特に気を付けなければならないのでしょうか。
今回は、方言に関するビジネスマナーと宮城県のビジネス方言を紹介します。
宮城県出身の方も、これから宮城県で働くという方もぜひ参考にしてみてください。
目次

絶対ということはありませんが、方言と標準語を状況によって使い分けるのが理想です。
方言が適切な場面、不適切な場面を見極め、コミュニケーションを上手に取りましょう。
取引先や仕入先など社外の人と会話するときには、基本的に方言は避けた方が無難です。
特に目上の人や初対面の人に方言を使うと、失礼にあたるだけではなく自身の印象を悪くしてしまう恐れがあります。
ただし、ある程度の信頼関係が築けている人と接するときや、相手が方言を使っているのであれば、方言を使用しても良いでしょう。
出身地が一緒であれば会話が盛り上がり、打ち解けるきっかけになるかもしれません。
建設業やサービス業、飲食業においてはむしろ方言を使った方がコミュニケーションがスムーズになることもあるようです。
何気ない雑談の場であれば許容範囲ですが、社内で方言を使うときは相手と状況に合わせて使い分けましょう。
言葉によっては意味が通じない、「田舎者」と茶化される可能性があるかもしれません。
また、いくら付き合いが長い上司でも、目上の人への方言は避けた方がいいでしょう。
会議やプレゼンなど、かしこまった場でも方言は不適切です。
新卒、中途関係なく面接時の「方言」は避けた方が無難ですが、絶対にNGというわけではありません。
企業によっては、郷土愛や人の良さなどをアピールできる可能性もあります。東北ということもあり、方言をあまり気にしない地元企業やベンチャー企業も多いようです。
ただし、相手に伝わらなければ意味がありません。入社後にも標準語は使うので、練習をしておいた方が良いでしょう。

方言にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれを把握した上でTPOに合わせて使い分けましょう。
方言には人間らしいあたたかさがあり、とっつきやすい印象を与えます。
特に、女性が方言を使うと言葉に柔らかみが出て、好感を持たれる傾向にあります。
平昌五輪で一躍有名になったカーリング女子の北海道弁「そだねー」が良い例です。
また、方言で職場や取引先に同郷の人がいることがわかると、それだけで打ち解けられることもあります。
方言はあたたかみが感じられる一方で、どうしてもくだけた印象になるので、ビジネスシーンにはふさわしくないと考える人が多いようです。
敬語を使う機会が多いビジネスシーンで方言が出てしまう人を「正しい言葉遣いができていない、適応力が乏しい人間」と判断する人もいるようです。
また、話し相手が方言を理解していないと、意思の疎通が取りにくく、誤解を与えてしまう恐れがあります。
イントネーションの違いなどを不快に思う人もいるので、ビジネスシーンでは標準語を意識しておくのが無難でしょう。

ここでは、宮城県のビジネスシーンでついつい出てしまいそうな方言を、中心部(仙台)、三陸地方(石巻、塩釜)、仙南地方(白石、角田)の3つに分けて紹介します。

宮城県の中心部である仙台市は比較的、方言が弱い地域です。
しかし、さまざまな県から人が集まるため、仙台の方言よりも他県の方言を耳にすることの方が多いかもしれません。
【例】このネクタイなんかいずい
【意味】このネクタイなんかしっくりこない
「いずい」は主に「しっくりこない」という意味で使われている仙台の代表的な方言です。
「服のタグが首にあたっていずい」や「席が狭くていずい」といったように違和感や不自由な状態を表す言葉としてよく使われています。
【例】先方にごしゃがれたっちゃ
【意味】先方に怒られてしまった
「ごしゃがれる」は「怒られる」という意味で、秋田県などでもよく使われる方言です。
語尾に「~っちゃ」をつける方言は、仙台市だけではなく宮城県の各地でよく使われています。
【例】だから!(提案・説明されたときの対応として)
【意味】そうですよね!
仙台の方言で「だから」は接続詞ではなく、「そうですよね!」と同意する言葉になります(ポイントは「!マーク」)。
「だから」も東北地方で広く使われている方言です。
【例】これもういらないからなげて
【意味】これもういらないから捨てといて
「なげる」は標準語同様に「ものを放つ」という意味もありますが、仙台をはじめとする東北地方では「捨てる」という意味で使われることが多い方言です。
【例】一日中会議だからがおる。もうやんだぐなった
【意味】一日中会議だから気が滅入る。もう嫌になるよ
「がおった」は「疲れる、気がめいる」という意味で使われている方言です。
仕事が忙しくなると、ついつい使ってしまいそうなので気を付けましょう。
ちなみに「やんだぐなる」は「嫌になる」という意味で使われています。

石巻市や塩釜市、名取市などが宮城県の沿岸部に分類されます。
海が近く漁が盛んな地域なので、漁師のようなたくましい方言が特徴的です。
【例】おいは営業職を希望しています
【意味】私は営業職を希望しています
「おい」は一人称の「私」の意味で、三陸地方では広く使われています。
男性が使用するのがほとんどのようです。他にも「おら」「おらい」という人もいるようです。
【例】おどげでねえ量の資料を渡された
【意味】とんでもない量の資料を渡された
「おどげでね」は「予想以上に、とんでもない、とても」という意味をもつ方言です。
使用頻度の高い方言なので、社内でついつい口にしてしまう人も多いようです。
他にも「とんでもないことだ」という意味合いで、一言「おどげでねえ」という人もいます。
【例】わりごだ
【意味】申し訳ない
「わり(悪い)、「ごだ(~です)」の言葉通り、自分の過ちを詫びるときに使用する方言です。
石巻地方出身のキャラクター「石巻弁めんこちゃん」が、LINEスタンプで「わりごだ」を紹介してくれています。

白石市や角田市、柴田郡などが仙南地方に分類されています。
福島県と近いため、方言も共通する部分が多いようです。
【例】これもっと安くしてけさいん
【意味】これもっと安くしてください
「~けさいん」は「~してください」という意味です。
もう少しカジュアルな言い方としては語尾に「~けろ」をつける言い方もあります。こちらは聞き覚えがある人も多いのではないのでしょうか。
【例】このたからものが!
【意味】このバカ者が!
「たからもの」というと何だか大切なもののように聞こえますが、仙南地方では「馬鹿者、愚か者」という意味で使われることが多いようです
宮城県で「たからもの」はなるべく言われないようにしたいものです。
【例】ほだなさすけねぇ
【意味】そんなこと気にするな
「さすけね」は仙南地方から福島県でよく使用される言葉で、「気にすることはない」という意味です。
仕事で失敗して落ち込んでいるときに、あたたかみのある方言で励まされると、心にぐっときます。

ここまでで紹介した宮城県の方言はほんの一部です。
ここでは地域は関係なく、クスっと笑えるおもしろ方言を紹介します。
【例】明日のプレゼンけっぱれ!
【意味】明日のプレゼン頑張ってね!
「けっぱれ」は「頑張れ」という意味があります。濁音がつかない分、ほどよい脱力感があります。
【例】おしょすいことばかりいうでねえ!
【意味】恥ずかしいことばっかり言うな!
「おしょすい」は「恥ずかしい」という意味を持つ、宮城県では有名な方言です。
「笑止(しょうし)」が語源と言われていますが、使う方もなんだか恥ずかしくなってしまいます。
【例】あっ、おはよう靴下してる!
【意味】あっ、靴下に穴が開いてる!」
テレビ番組でも紹介されたことで、一躍有名になった「おはよう靴下」。主に宮城の中心部で使われています。
ビジネスシーンで使うことはあまりなさそうですが、かわいらしい響きなので、使ってみたくなります。
これまでの癖が抜けずに、ついつい職場でも方言が出てしまうという人もいるでしょう。
すべてを直すのは難しいのかもしれませんが、職場ではスマートに意思疎通がはかれるように、誤解を与えやすい言葉は使わないように意識したいものです。
地元企業であれば社内で方言を多用している可能性もありますが、20~30代前半で方言を使っている人はかなり少ない様子。
自分の言葉遣いが浮いてしまわないように、社内の企業文化に合わせて方言の使用を判断することをおすすめします。
社内の企業文化が気になる!という人は豊富な企業情報を持つ転職エージェントに相談するのも。企業文化だけではなく、有益な情報を教えてもらえるでしょう。
※この記事は『仙台の転職.com』が各地域の出身者からの情報をもとに構成しておりますが、万が一間違いがあった場合はコメント欄からからご連絡ください。
また、「他にもこんな面白い方言があるよ」という方からの情報提供もお待ちしております。
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愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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