ボーナス・賞与が少ない?会社平均や業界別の支給額について徹底解説

「私のボーナスは平均より少ない?」「みんなはボーナスを何万円くらいもらっている?」と不安になったり気になったりしてしまう事はありませんか。会社のボーナス平均額は約38万円です。業界によって差があり「電気・ガス業」は約86万円ですが「飲食サービス業」は約4万円と大きな開きがあります。

本記事では業界別ボーナス支給額やボーナスが少ない理由、ボーナスを上げる方法などについて紹介しています。ボーナスの実態を把握して、自分のボーナスが適正かどうかについて見極めましょう。

会社のボーナス平均額はいくら?


会社の従業員がもらっているボーナスの平均額について、こちらの3つの視点から紹介します。

  1. 全業種の平均額
  2. 最多の業界の平均額
  3. 最少の業界の平均額

それぞれ詳しくみていきましょう。

会社のボーナス平均額は38万円

厚生労働省の調査によると、民間企業(事業所規模5人以上)のボーナス平均額は約38万円でした。令和2年度の冬のボーナスの平均額が38万646円で、令和3年度の夏のボーナスの平均額が38万268円です。そのため、約38万円が会社の平均のボーナス額と言えます。

ボーナスの支給額は景気や会社の業績の影響を受けます。2020年夏~2021年度夏にかけては新型コロナウイルスの影響もあり、飲食業や宿泊業を中心にボーナスは減少される傾向にありました。

ボーナス最多は電気・ガス業界の86万7560円

ボーナス支給額が最多の業界は「電気・ガス業界」です。電気・ガス業の平均支給額は86万7560円で、調査した全業界の平均支給額の倍以上になります。ボーナスが多い業界ベスト5ランキングは以下の通りです。

順位 業界 金額
1位 電気・ガス業 86万7560円
2位 情報通信業 66万5248円
3位 学術研究等 65万3687円
4位 金融業,保険業 64万3656円
5位 教育,学習支援業 49万9483円

参考:毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等|厚生労働省

電気・ガスなどのインフラ系企業は、学歴によるボーナス額の差も少ないと言われています。景気やコロナの影響も受けにくい業界です。

ボーナス最少は飲食サービス業界の4万7083円

ボーナス額が少ない業界1位は「飲食サービス業」でした。2021年度の夏のボーナスは4万7083円です。最多の「電気・ガス業」と比べると18倍以上の差があります。

順位 業界 金額
1位 飲食サービス業等 4万7083円
2位 生活関連サービス等 13万5034円
3位 その他のサービス業 23万618円
4位 医療、福祉 27万5482円
5位 運輸業、郵便業 32万2898円

参考:毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等|厚生労働省

次いで「生活関連サービス等」や「その他のサービス業」のボーナスが少なくなっています。2021年度は、飲食サービス業と生活関連サービス業のボーナス額は前年比-15%前後となっていることから、新型コロナウイルスの影響を大きく受けていると言えるでしょう。

ボーナス額は業界によって大きな開きがあります。「ボーナスがもっと欲しい」と考えた時、個人のスキルを上げることも大切ですが、業界を変えるのも一つの方法です。

ボーナス支給額約45万円は手取り約36万円

ボーナスから社会保険料(健康保険料・厚生年金・雇用保険)と所得税が引かれます。ボーナスが約45万円の場合、手取りは約36万円です。

ボーナスから引かれる社会保険料と所得税について詳しくみていきましょう。それぞれの算出式は以下の通りです。健康保険料と厚生年金を2で割る理由は、自分と事業主とで保険料などの支払いを折半するからです。

項目 算出式
健康保険料 標準賞与額×保険料率÷2(※1)
厚生年金 標準賞与額×保険料率÷2(※2)
雇用保険 支給賞与額×保険料率(※3)
所得税 (支給賞与額—社会保険料)×「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」にある税率

※1.保険料率は9.63~10.61%(都道府県によって異なる)
※2.保険料率は18.3%
※3.保険料率は0.03%(一般的な企業の場合)

上記の算定式をそれぞれの状況に当てはめた場合、こちらがボーナス45万円の手取り額になります。

  • 28歳/扶養親族0人/前月の給与が30万円→ボーナス手取り額は36万1730円
  • 35歳/扶養親族1人/前月の給与が35万円→ボーナス手取り額は36万1730円
  • 40歳/扶養親族2人/前月の給与が40万円→ボーナス手取り額は35万7928円

40歳でベテランだからといっても、比例してボーナスの手取りが増えるわけではありません。「夫のボーナスの手取りが減った」となるのは、社会保険料などの影響もあるためです。なお、扶養親族のいる方の方がボーナスの手取り額は増える傾向にあります。

ボーナスは利益配分型が増えている

ボーナスを決定する方法は主にこちらの3つがあります。

  1. 一律定額型・・・役職者は一律25万円、一般職は一律10万円と定額支給
  2. 給与連動型・・・基本給と連動して支給(例:基本給×2.5ヶ月
  3. 利益配分型・・・事前にボーナスとして支給できる額を決め、従業員の能力に応じて分配する

「一律定額型」は、役職や勤続年数に応じて一律でボーナス額が決まっているタイプです。規模の小さい会社やスタートアップでよくみられます。

「給与連動型」は、基本給と連動してボーナス額が決まるタイプです。日本の一般的なボーナスの制度と言えます。

最近増えている「利益配分型」は、あらかじめボーナスとして支給できる金額を決めておいて、従業員の能力に応じて分配するタイプです。従業員の会社への貢献度や能力、勤務態度が考慮されます。

ボーナスが少ない理由

ボーナスが少ないのには理由があります。主な理由はこちらの3つです。

  1. 会社に理由がある
  2. 自分に理由がある場合
  3. 業界に理由がある場合

それぞれ、背景を踏まえながら1つずつ解説します。

労働基準法で支給が義務付けられていないから

ボーナスは労働基準法で支給が義務付けられていません。会社が任意で支払うものです。そのため、ボーナス額は会社の給与規定や業績に左右されます。

会社の業績が悪いとボーナスの原資となるお金がありません。また、会社は利益を上げたからといって全てのお金を社員に分配していたら設備投資や事業拡大などに使うお金がなくなってしまいます。リスクに備え会社にも貯蓄しておかなくてはいけません。

これらの理由により、ボーナス額が少なくなってしまいます。

ただし、就業規則や求人広告などで「ボーナスを支給する」と記載されている場合、ボーナスが支払われなかったら契約違反として請求できます。「業績によってボーナスは支払わない」と注釈が入っていると請求できないので、就業規則などを確認しておきましょう。

評価が高くないから

自分の評価が高くない場合も、ボーナスは少なくなってしまいます。ボーナスでは、こちらの3つのポイントが評価されます。

  1. 業績評価・・・数値化された目の達成度
  2. 能力評価・・・個人の能力
  3. 行動評価・・・勤務態度

「業績評価」とは、期首に定めた業績目標がどれくらい達成できたかを評価するものです。ノルマ達成度のようなものにあたります。ボーナスで特に重要視される評価です。「ボーナスは会社の利益を社員に配分する」という意味合いが大きいため、会社への貢献度がここで評価されます。

「能力評価」は、個人が仕事でより成果を上げるために身につけた能力や資格を評価するものです。「行動評価」は遅刻や仕事への積極性など勤務態度を評価します。周囲にも影響を与える部分のため、重要な部分です。

これら3つの項目を総括してボーナスに影響を与える評価が決定します。

ボーナスが少ない業界だから

ボーナスの金額は業界によって大きく異なります。前述したとおり、電気・ガス業界は多いですし、飲食サービス業は少ない傾向にあります。

ボーナスの額が少ないと「営業利益率が低いからだ」という考えを抱きやすいですが、必ずしも営業利益率の高さがボーナスの額に直結するとは限りません。令和元年において、宿泊業・飲食サービス業の利益率は業界3位の5.19%でしたが、ボーナスは他業種と比較しても高くありませんでした。

ボーナスの金額が周囲より少ないからといって自分の能力が低いというわけではありません。身を置いている業界によってボーナス額は多くなったり少なくなったりすることを理解しておきましょう。

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少ないボーナスでやりくりする方法

少ないボーナスでもやりくりできる方法を3つ紹介します。

  1. ボーナス払いをやめる
  2. 支出金額を家族と共有する
  3. 節約だけでなく収入アップも目指す

1つずつ解説します。

ボーナス払いをやめる

1つ目はクレジットカードの支払いでボーナス払いをやめることです。ボーナスがもらえることを見込んで買い物すると、減額された時やカットされた時に対応しきれないからです。

確かに、ボーナス払いは手数料のかからないことがほとんどで便利なサービスです。支払いを先延ばしにできるメリットもあります。ただし、想定より少ない金額しかボーナスが支給されなかった場合、ボーナスの多くが支払いに消えることになりますし、場合によっては足らないケースも出てきます。

少ないボーナスでやりくりするためには、ボーナス払いで買い物をすることをやめましょう。住宅ローンもボーナスは見込まず計画を立てることがおすすめです。

支出金額を家族と共有する

2つ目は、家計の支出について家族と共有することです。あなたが家計管理をしていて、配偶者が家計にノータッチの場合、配偶者は支出ついて把握できていません。配偶者宛にボーナスが支給されるなら、収入のみを把握します。

そのため人によっては、ボーナスが入ったことで趣味や娯楽にお金が使えると安易に考えてしまうこともあります。普段から、以下のような家計の大きな支出について共有しておきましょう。

  • ボーナスが入っても〇万円が支払いでなくなる
  • 車検代などのためにボーナスは使わず貯めておく必要がある
  • 子どもの学費として積み立てておかなければいけない

これらの支出や貯金の必要性について配偶者が理解できていたら「ボーナスが30万円入ったから趣味のものを買いたい」という考えは起こりにくくなります。配偶者の無理な出費を防ぐために、家計の支出について情報を共有しておきましょう。

節約だけでなく収入アップも目指す

3つ目は、節約するだけでなく収入アップを目指すことです。節約だけがお金を増やす方法ではありません。100円安いものを買うために往復30分かけて出掛けるより、30分で100円稼ぐようにした方が収支のバランスも良くなります。

でも、中には「往復30分かけて出掛けることで気分のリフレッシュも兼ねている」という方もいます。自分は「節約のための工夫が楽しめるタイプ」なのか「節約より収入を増やしてお金を増やしたいタイプ」なのかを見極めて、自分に合った方法を取り入れましょう。

ボーナスを上げる3つの方法

ボーナスは流動的なものであるため、状況によっては上げることができます。具体的にボーナスを上げる方法を紹介します。

評価を上げる

ボーナスを上げるには会社での評価を上げるようにしましょう。会社の評価制度を確認して、評価されるように業務に取り組んだり、実績を上げたりするように努めます。

評価制度を確認してもよく分からない場合は、上司や先輩に相談しましょう。上司もできる限り、部下を評価したいと考えています。優秀な部下を持つことは自分の指導の賜物でもあるからです。上司は「能力評価」の中に『部下を適切に指導できたか』という評価項目が設けられています。

また、すぐに評価されるような成果が上げられなくても、成長したいという意欲を示すことで「行動評価」は高くなる可能性もあります。

会社や業種、職種によって従業員を評価する基準が異なります。自社の評価制度を確認して、それに見合った行動を取るように心掛けましょう。

副業収入をボーナスにあてる

会社での評価が高くても、会社の業績や業界によってボーナスが上がりにくい時もあります。その場合は、副業で収入を得てボーナスにあてましょう。

最近は副業を認めている会社が増えています。副業でできる仕事の種類も幅広くなり、通勤などの隙間時間にできるものから、趣味を活かしたものまであります。一例を紹介します。

  • アンケートモニター
  • ネットショップ運営
  • 写真販売
  • 動画編集
  • ハンドメイド小物販売

趣味と実益を兼ねて、副業に挑戦するのもおすすめです。

転職する

ボーナスの少なさに悩んでいるなら、転職するという選択肢もあります。特にボーナスの少ない業界で働いている方は、業界を変えることも視野に入れましょう。

転職することでボーナスアップが期待できるケースもあります。ボーナスは転職1年目から支給されるケースがほとんどです。

転職先のボーナス額については求人サイトなどで確認しましょう。求人票の給与やボーナスなどの欄に「前年実績は〇ヶ月分」と記載されていることがあります。

確認してもよく分からなかったり、前年度以外の実績について知りたかったりする場合は、転職エージェントの利用をおすすめします。転職エージェント担当者が、応募企業や業界のボーナス事情について詳しく教えてくれます。

ボーナスが少ないなら上げる工夫をしよう

ボーナスについて解説しました。会社のボーナス平均支給額は約36万円です。ボーナス最多は「電気・ガス業」の86万7560円で、最少は「飲食サービス業」の4万7083円でした。

ボーナスから社会保険料などが引かれるので手取りは少なくなります。少ないボーナスでやり繰りするために、買い物はボーナス払いをやめて家族と支出について情報共有しましょう。

ボーナスを上げる手段の1つに転職があります。ただし、ボーナスは会社の業績に依存するケースが多いため、転職したからといってボーナスが上がると期待し過ぎないようにしましょう。ボーナスだけを考えて転職するにはリスクがあります。

「転職するのとしないのとでは、どちらが良いのだろう」と判断に迷った時は転職エージェントのヒューレックスに相談してください。

ヒューレックスでは各業界に精通したコンサルタントが在籍しており、業界や企業のボーナス事情について豊富な知識を持っております。ボーナス以外にも基本給や仕事内容、休暇などのご希望条件を考慮して、登録者一人ひとりに合った求人を紹介いたします。

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この記事の監修

須賀川 敏哉

神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。

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