40代からの地方移住生活は難しい?失敗しない仕事の探し方とは

新型コロナウイルス感染拡大から始まったリモートワークの浸透で、地方移住への関心はますます高まっています。社会人生活の折り返し地点を迎える40代であっても、新しい土地で生活を始める方は少なくありません。

しかし、求人数が限られる40代の転職活動には、情報収集や対策が必須です。今回は移住生活を検討している40代向けに、仕事探しのコツや移住のメリット・デメリットを紹介します。

移住生活を考える40代の実情

40代は親の介護を考えはじめる年代で、地方移住を真剣に検討する方が少なくありません。さらに2020年から始まったコロナ禍によってリモートワークが浸透し、働き方が多様化したことで移住へのハードルが低くなりました。実際のところ、40代は地方移住に対してどれほど関心を寄せているのでしょうか。

移住経験者のうち40代が約2割

画像引用:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター「2020 年度年次報告書

「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」は、地方移住に関する支援・相談を行うNPO団体です。2020年の時点における同団体への来訪者・問い合わせ数は、38,320件でした。2,475件であった2008年と比較すると、この12年間で15倍以上も増加した計算です。これは地方移住を考える人が増えている証拠といっても過言ではありません。

相談件数が49,401件であった2019年と比較すると減少していますが、これは新型コロナウイルスの感染拡大の影響でセミナーが積極的に開催されなかったことにあります。コロナ禍で多様な働き方が注目されるようになったことで、今後は相談者数の増加が期待されています。

とりわけ、40代の利用者は30代に次いで2番目に多く、全世代の利用者のうちの23.7%を占めているのが現状です。いかに40代からの注目度が高いのかがわかります。

潜在的に移住を検討している40代は多い

東京都在住者 今後の暮らしに関する意向調査

引用:首相官邸「東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査(2018年実施)

首相官邸が公表した「東京都在住者の今後の暮らしに関する意向調査(2018年実施)」では、東京都からの移住を検討する人の割合を、年代・性別ごとに示しています。40代における、「移住予定」または「移住したい」人の割合は、男性48.5%、女性28.2%です。

すなわち、「40代男性の約2人にひとり」「40代女性の約4人にひとり」が移住を考えている計算と言えます。実行に移さずとも、潜在的に移住を検討している40代はかなり多いと言えるでしょう。

主な移住のスタイル

地方移住を検討する際に知っておきたいのが、「Uターン」「Iターン」「Jターン」です。ここではそれぞれの用語の定義と特徴を紹介します。

Uターンは生まれ育った地方に戻るスタイル

Uターンとは、地方出身の人が地元から都会に出た後、また地元に戻るスタイルです。例えば青森県で生まれ育った人が進学と同時に上京したものの、就職と同時にまた青森県に戻ってくるケースが該当します。Uターンの特徴は、生まれ育った地域に移住するため移住先になじみがある点です。

Iターンは都市部出身者が地方移住するスタイル

Iターンは、都市部で生まれ育った人が、地方へ移住および転職を行うスタイルを指します。例えば大阪で生まれ育った人が、転職を機に鹿児島県へ移住を行うケースはこれに当たります。Uターンでは移住先の地域になじみがありますが、Iターンでは未知の土地に移住するため、移住先になじみがない点が特徴です。

Jターンは地元の近隣エリアに戻るスタイル

Jターンとは、地方出身者が都会に移住した後、地元の近隣エリアに戻ってくるスタイルです。Uターンと類似していますが、生まれ育った地域に戻るUターンに対して、Jターンでは地元の近県や同じ県の都市部に移住する点が特徴です。

40代が地方に移住・転職するメリット

40代には移住を検討している人が多く、また移住経験者もある程度存在する世代です。その背景には、住まいや育児の充実した環境、また新たなキャリア形成のチャンスなど、地方ならではのメリットがあります。

移住先でキャリアアップが期待できる

社会人生活を20年以上も経験して、多くのキャリアを積んでいる40代。そのなかには、高度な専門性とマネジメントスキルを体得した人も少なくありません。ベテラン社会人で、大きなトラブルに直面することも少なくなった40代になると、「新しい挑戦をしたい」と、考えることもあります。それも地方企業に転職することで、未経験の分野にも挑戦でき、更なるキャリアアップを期待できます。

また、都会の企業で積んできたキャリアを地方企業で存分に発揮できれば、企業の利益だけでなく、地方創生にも貢献できます。結果として、都会で働くよりも、やりがいを感じながら仕事に取り組めそうです。

育児や介護の環境を整えやすい

公益社団法人 日本産科婦人科学会」が公表したデータによると、2016年時点では、35歳以上の出産が全体の28.5%を占めています。晩婚化が進む昨今では、40代で出産・育児を経験する女性もいます。

自然豊かな地方都市であれば、緑あふれる公園や海、山に子どもを連れて行きやすく、発育によい環境を期待できます。人口密度の低さを背景に、保育園や幼稚園の定員に余裕がある点も、保護者にとってはうれしいポイントです。

また、株式会社インプレスが運営するシニアガイドの2019年調査によると、親の介護をはじめた年齢で最も多いのが「45~54歳(42.0%)」。次いで「35~44歳(29.6%)」です。この結果から、40代で親の介護をはじめる人が多いとわかります。

Uターン・Jターン転職では、地元あるいはその近隣に移住するため、実家に立ち寄りやすく、親の介護に都合が良くなる点がメリットです。

マイホーム計画を立てやすい

順位 持ち家住宅率の高い都道府県(2018年) 割合(%)
1位 秋田県 77.3
2位 富山県 76.8
3位 山形県 74.9
3位 福井県 74.9
5位 岐阜県 74.3
順位 持ち家住宅率の低い都道府県(2018年) 割合(%)
1位 沖縄県 50.2
2位 東京都 44.6
3位 福岡県 53.6
4位 大阪府 54.7
5位 北海道 56.3

参考:「都道府県別でみる住宅状況~住宅及び世帯に関する基本集計(確報値)より~|総務省統計局」

総務省が2020年に公表した「家計調査年報」によると、30代の持ち家率は約49%であるのに対し、40代では70%と高い数値となっています。マイホーム計画を検討する40代におすすめなのが、地方移住にともなう持ち家購入です。総務省統計局のデータでは、持ち家住宅率の高い都道府県ランキングには地方都市が多数ランクインしています。

この背景には、地方都市ならではの地価が安いことや、広い土地が用意できる環境があります。都心部と比較して、持ち家を構えやすい地方都市では、充実した住環境に出会えるでしょう

通勤時間を短縮できる

体力の低下を感じる人が多い40代にとって、通勤時間の短縮は体への負担が少なく、理想的です。総務省が公表した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の平均通勤時間は28.1分。都市部の神奈川県は48.8分、千葉県は46.4分、東京都は44.5分でした。

反対に、宮崎県は18.3分、島根県は18.8分、山形県は19.2分。都市部と地方では通勤時間に大きな差があることがわかります。地方移住を実現することで、通勤時間を大幅に短縮できるかもしれません。

自治体によっては助成金が支給される

地方自治体が支給する支援金は、地方移住のメリットのひとつです。地方創生を目的として、地方エリアで就職を行う人を対象に支援金を支給する取り組みが行われています。起業支援金は、東京都圏以外の地域で新たに起業、もしくは事業継承または第二創業する方に最大200万円を支給しています。

また、東京23区に在住または通勤する人が東京圏外へ移住し、起業や就業をした際に支給される移住支援金にも注目が集まっています。支給額は最大100万円(単身者は最大60万円)です。

起業支援金および移住支援金の詳細な支給条件は、各地方自治体のホームページからご確認ください。この助成金を移住時の各種費用に充てることで、よりスムーズな移住生活をスタートできるでしょう。

40代が地方に移住・転職するデメリット

キャリアアップの可能性や充実した育児・介護環境など、40代の地方移住には多くのメリットが存在しています。一方で、地方移住にはある程度のデメリットもつきものです。ここでは、地方移住のデメリットを3点紹介します。

給与がダウンする可能性がある

地方で未知の領域や未経験の仕事をこなすことで、専門性やスキルを伸ばして、キャリアアップできると期待できます。しかし、必ずしも給与が上昇するというわけではなさそうです。

厚生労働省が公表した「令和元年 賃金構造基本統計調査」によると、年収の全国平均は307.7万円。東京都は379.0万円、神奈川圏は341.1万円、最下位は青森県の239.0万円です。このデータからは、東京圏とそれ以外の道府県で年収に大きな差があることがわかります。

したがって、東京圏や関西の都市部に勤務している人は、地方移住にともなって年収が下がるかもしれません。しかし、地方は家賃や物価が安い傾向にあるため、多少年収が下がってもこれまでと変わらない生活水準を維持できる可能性大です。

新しい職場になじみにくいことも

地方企業に転職すると、新たな職場の雰囲気や文化に戸惑うことも。未経験の業種や職種に転職したものの、これまで培ってきたスキルが通用しないとわかり、自信をなくしてしまったという方も存在します。

慣れない仕事に一人で悩まないように、新しい職場の人と積極的にコミュニケーションを取り、良好な人間関係を構築しましょう。職場の人がアドバイスをくれたり、相談に乗ってくれたりするかもしれません。

転職エージェントへの相談もおすすめです。転職前はもちろん、転職後のサポート体制を整えているエージェントは少なくありません。もちろん、自分も地方移住や転職先に関する情報を、進んで集めておくようにしましょう。

 

キャリアアップがゆとりのない生活の原因になることも

移住先の土地で、ゆとりのある生活を送りたいと考える人は多いものです。しかし、転職先で昇進するなどキャリアアップが実現すれば、かえって忙しくなってしまうこともあります。

また、人手不足で悩んでいる地方企業は多く、転職した結果、より多くの仕事をこなす必要が出てきて、慌ただしい日々を送ることになるかもしれません。地方移住でゆとりのある生活を送りたい方は、「残業時間が少ない」「年間休日数が充実している」といった条件をひとつの軸にして求人を探すのがおすすめです。

40代が移住先で仕事を探す方法

ここまで紹介した通り、地方移住にはメリット・デメリットの両方が存在します。しかし、まずは移住先候補の生活情報や転職市場を把握してから、検討したいところです。ここからは、新しい仕事の探し方をみていきます。

自治体の就労支援サポート

各自治体が行う就労サポートとして、移住を考える人向けの求人情報サイトがあります。例えば山形県では、山形労働局が「山形県就職情報サイト」を運営していて、地元の企業や求人の情報を探し出せます。

これは地方自治体のサイトならではのメリットです。しかし、実際の採用試験の対策までは受けられないデメリットがあることも事実です。

転職サイト

多くの求職者が利用する転職サイト。大手企業が運営する転職サイトには、地方の求人情報もある程度掲載されています。一方で、地方の求人に特化した転職サイトも複数存在します。多くの求人に目を通したい方は、大手転職サイトとの併用がおすすめです。

ただし、転職サイトの目的はあくまでも求人情報の公開で、地元の生活情報までたどり着きにくいのがデメリットです。

地域おこし協力隊

地域おこし協力隊は、数年間を地域で過ごして、地域貢献活動を行う取り組みです。住居や活動用車両の費用は自治体が負担するケースがほとんどで、活動費として労働の報酬が支払われます。活動に参画することで、より地元に関する知識を深められます。

一方で、地域おこし協力隊の活動は1~3年で終了するため、長く地方で暮らしたい人には不向きかもしれません。

転職エージェント

転職エージェントは、転職を希望する人と採用を考える企業の間に立って、転職を支援するサービスです。専門のアドバイザーが、転職市場や転職ノウハウについてサポートを行います。そのため、求人情報の紹介だけでなく、面接のコツや履歴書の書き方についてもアドバイスを受けられる点が強みです。

特に、地方移住の場合には、地元の転職市場に詳しい転職エージェントがおすすめです。地元の転職エージェントであれば、移住先の生活や環境にも詳しいため、多くの有用な情報を得られる可能性があります。

 

移住を考える40代は転職エージェントに相談しよう

昨今、政府の後押しによって注目が集まる「地方移住」。40代の地方移住は、「キャリアアップをしたい」「マイホーム計画を実現したい」「豊かな自然のなかで子育てをしたい」といった方におすすめです。

一方で、地方の求人の少なさゆえに、「希望する求人にたどり着けるか」という不安も同居するかもしれません。地方の求人に強い転職エージェントは地域の求人数が豊富であるため、自分が希望する仕事を見つけられる可能性が高まります。

ヒューレックスは、地元の優良な求人情報を豊富に扱う転職エージェントです。200もの地方銀行と提携しているヒューレックスでは、銀行を経由して多くの地元優良企業の求人をそろえています。地方への転職をお考えの方は、ぜひ一度ヒューレックスにご相談ください。

 

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この記事の監修

須賀川 敏哉

神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。

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