30代の転職は年収が下がる?リスクとメリットを把握しよう

グローバル化や働き方の多様化に対応できるよう、週休3日制やテレワークを導入する企業が日本でも増えてきました。こうした世の中の流れを受けて、転職を考えている人も少なくないでしょう。

しかし、人材不足の企業が多いとはいえ、不景気とコロナ不況によって、転職するのは簡単ではありません。実務スキルや専門知識、年齢、将来性などを厳しく評価されるでしょう。たとえ転職できたとしても、年収が下がることは十分にあり得ます。

実際、30代を超えた転職者のうち、転職後に年収が下がったという方も珍しくありません。

ここでは30代の転職事情から、年収を下げずに転職を成功させるポイントまで網羅的に紹介していきます。

30代の転職事情

30代で転職を考えている方にとって、年齢は不安要素の一つとして挙げられるでしょう。しかし、そもそも30代という年齢は転職にとって不利なのでしょうか。

30代前半の場合と、30代後半の場合の2つに分けてそれぞれ見ていきましょう。

30代前半はチャンスが多い

求人情報を取り扱っている転職サイトDODAの「転職成功者の年齢調査」によると、転職成功者の平均年齢は32歳でした。

日本全体の不景気やコロナ不況による業績悪化に伴い、どの業界でも社会人経験が豊富で即戦力として活躍できる30代以上の人材需要が増加していると考えられています。また、2008年より転職成功者の平均年齢は増加傾向にあるため、今後も30代前半の転職はチャンスが多くなると言えます。

ただし、現在の転職市場では即戦力としての活躍が見込めない未経験の求人は減少傾向にあります。これによる悪影響は20代前半の若い世代だけではなく、異業種・異業界への転職を希望する30代にも及びます。

たとえ、社会人経験が長かったとしても異業種・異業界では未経験として扱われるため、転職は厳しくなります。

もちろん、まったく不可能というわけではありませんが、異業種・異業界転職を志す30代は、ある程度の年収ダウンも覚悟しておく必要があるでしょう。

出典:DODA「転職成功者の年齢調査

30代後半は難易度が高くなる

30代後半になると将来性を見込んだポテンシャル採用はほとんどなくなります。反面、年齢にふさわしい知識やスキルが必要とされ、企業から求められる基準は高くなるでしょう。そのため、同業種・同業界の転職であっても簡単にはいきません。

30代後半の転職では「自分が何の知識やスキルを持っているのか」「企業は何を求めているのか」を把握しておくのはマストになってきます。また、自分と同じことを考えて転職に臨む30代後半の方もいるため、企業の印象に残るようアピールポイントを見繕っておく必要があります。

自分の持っている知識やスキルと企業が求める人物像がマッチし、他の転職者にはない強みをアピールできれば、希望する企業に転職できる可能性も高まるでしょう。

30代の転職は年収が下がるの?

紹介してきたとおり、30代の方でも条件が揃えば希望の企業に転職することができます。とはいえ、30代の転職では成功するか否かというだけでなく、その後の年収も気になりますよね。

20代とは違い結婚や育児などが重なり、金銭面でシビアになるのも当然です。転職によって現在の年収から下がってしまうのは避けたいところです。

ここでは年収という観点で30代の転職を紹介していきます。

30代の転職アップ率とダウン率

厚生労働省が公表している「-令和2年雇用動向調査結果の概況-」によると、30代前半の転職で年収が現職以上(年収が増加した、あるいは変わらない)になったのは67.8%であり、30代後半では64.6%でした。内訳についてより詳しく見ていきましょう。

30〜34歳の転職者のうち「転職後に年収が増加した」と答えた割合は40%以上を占めています。また、「1割以上年収が増えた」と答えたのは30%以上です。

一方で、30〜34歳の転職者のうち「転職後に年収が減少した」と答えた割合は31.9%であり、21.2%は「1割以上年収が減少した」と答えています。

続いて30代後半(35〜39歳)についても見ていきましょう。35〜39歳の転職者のうち「転職後に年収が増加した」と答えた割合は37.4%であり、「1割以上年収が増えた」と答えた割合は25.7%です。

同じく35〜39歳の転職者のうち「転職後に年収が減少した」と答えた割合は33.7%であり、「1割以上年収が減少した」と答えた割合は21.2%でした。

転職入職者の賃金変動状況別割合

まとめると、30代の転職で年収が下がった人の割合は半分以下と少ないことが分かります。

※出典:厚生労働省「-令和2年雇用動向調査結果の概況-

30代の転職で年収が下がってしまう要因

30代の転職で年収が下がるのは4割以下であり、必要以上に恐れることはありません。とはいえ、決して低くはない割合で転職による年収減少を味わっているため、その要因を把握しておくと良いでしょう。

年収が下がってしまう人の要因として以下の点が考えられています。

  • 自分の市場価値を理解していない
  • 未経験やキャリアチェンジ目的の転職

 
それぞれ具体的に見ていきましょう。

自分の市場価値を理解せず、実力に伴わない転職先に就職してしまう

転職において自分の市場価値を理解しておくのは非常に重要です。

特定の知識やスキルを持っている人材を求める企業が多い場合、該当する人材は「需要が高い」とされます。また、該当する人材が転職市場において少ないほど「供給が少ない」状態です。

一般的な市場価値と同様に、需要が高く、供給が少ない人材ほど転職市場においては市場価値が高いとされます。もし、自分の市場価値を理解していなければ、年収が下がる原因となってしまいます。

例えば、自分の市場価値が高いことを知らなければ、転職活動に焦り年収の低い企業に転職してしまうかもしれません。逆に自分の市場価値が低ければ、最初から転職による年収減少は免れないでしょう。

自分の市場価値を理解し、実力に伴った企業を中心に転職活動を行わなければいけません。

未経験やキャリアチェンジの転職は年収が下がりやすい

年収が下がる要因の中でも、特に未経験やキャリアチェンジにおける転職では年収が下がる可能性が高い傾向にあります。

先述したように、30代の転職者は企業から即戦力としての活躍が期待されています。そのため、これまでのキャリアで培ってきた知識やスキルを活かせない場合、企業から良い評価を得られないでしょう。たとえ転職に成功したとしても、実務能力の面から低い年収を提示されるかもしれません。

とはいえ、将来を考えてどうしても職種や業界を変えたいという方はどちらか一方を変えてみるのがおすすめです。例えば現在の職業が「IT業界のエンジニア」だった場合、職種もしくは業界を変えると以下のようになります。

  • IT業界の営業職
  • 金融業界のエンジニア職

 
どちらか一方にこれまでの知識やスキルを活かせる場合、企業側も即戦力としてあなたを迎えることができるでしょう。

30代の転職で年収を下げない5つのポイント

30代の転職ではいくつかの年収が下がる要因があり、これらを意識しなければいけません。もし、年収が1割下がってしまうと、年収400万円から年収360万円まで落ちてしまう計算であり、生活への負担は大きいでしょう。

最後に転職で年収を下げないために何をすればよいのか具体的に紹介していきます。

転職準備の徹底と円満退職の準備もする

30代の転職活動では、とにかく「転職の準備期間」を確保するのが重要です。

一般的な転職活動では「応募」「面接」「内定」など1~3か月程度で済むかもしれませんが、30代の転職となると話は別。

何となくや感覚で転職先の企業を選ぶのではなく、過去のキャリアと将来のキャリアを照らし合わせた上で、企業選びをしなければいけません。20代の転職とは違い、30代の転職では「応募先の企業選び」にも時間をかけることが必要です。

また、企業選びをする前には、求人情報や業界動向、市場で求められるスキルの「情報収集」を行います。さらに、自分の能力やスキルは何なのか、自分の市場価値はいくらなのか、転職先に希望する条件は何なのかといった「自己分析」も行わなければいけません。

こういった「情報収集」や「自己分析」、「応募先の企業選び」をするためにも、3か月から6か月程度のまとまった「転職準備期間」を設けておくと良いでしょう。

転職活動を本格的に開始したならば、平行して円満退職の準備も行いましょう。

30代となると現職でも、部長や課長といった何らかの役職についている方もいらっしゃるでしょう。スムーズに円満退職するためには、取引先や上司へのあいさつ、不備のない業務の引継ぎが必要です。

もし、退職時にトラブルが発生すると、転職先への出社日に間に合わない可能性もあります。

出社日を延期できるかもしれませんが、転職先企業に迷惑をかけることになりますし、評価が落ちるきっかけにもなるため、なるべく避けたいところです。

転職準備期間から円満退職までを考慮すると、転職活動全体で1年以上の長期戦になる場合もあるでしょう。

転職の目的と条件の優先順位を明確にする

あなたがもし転職を考えている場合、それは現職の雇用条件や働き方に不満があるからでしょう。それは年収が低いという点の一つかもしれませんが、人によっては残業が多い、勤務地が遠いなど複数挙げるかもしれません。

しかし、転職をすることで現職の不満点をすべて解消するのは困難です。

そのため、転職活動をはじめる前には、なぜ自分が転職したいのか、最も重視している条件は何かを明確にしておきましょう。そして、重視している条件以外の部分では、ある程度妥協するのも重要です。

例えば、給与や賞与を最優先の条件とするならば、残業の多さや休日の少なさ、勤務時間には目を瞑る必要があるでしょう。

転職活動を行う前に、自分が転職先に何を求めているのかあらかじめ自己分析しておきましょう。

マネジメントを含めた「即戦力」をアピールする

企業が30代の転職者に求めているのは、即戦力としての事業への貢献であり、20代の転職者のようにやる気や熱意によるポテンシャル採用を目指すのは難しいでしょう。

そのため、企業の業務内容に沿った知識やスキル、実務能力だけでなく、リーダーシップや問題解決力、マネジメントを含んだビジネススキル全般が求められます。

面接では業務課題への対応策や改善策の提案、役職や事業体系に沿った能力の有無をアピールしましょう。

過去のキャリアから具体的なエピソードを交えると、説得力を持たせることが可能です。例えば、以下のように説明できると良いでしょう。

  • 前職では事業に○○という課題を抱えており、それに対して私は△△という改善案を提案しました。これによって、××という結果になり課題を解決するに至りました。
  • 前職では○○という事業を行う際、プロジェクトリーダーとして部下や同僚を統率して業務にあたりました。そこでは、△△という問題が発生しましたが、××を行って対応しました。

 
エピソードを通じて自分の能力が転職先企業でも活かせる、再現性のあるものだと採用担当に思わせることが重要です。これができるようになれば、転職成功の確率もグッと引きあがるでしょう。

地方の企業も選択肢に加える

もし、転職の条件として居住地のこだわりがなければ、地方の企業も転職先として選択肢に入れておきましょう。

都心部はとにかく人が多く集まるため、様々な事業が行われています。そのため、各分野の専門家も集まり、情報やノウハウの質も地方とは段違いです。

これまで都心部で生活してきたという方は、そこで培った経験が地方では重宝されるかもしれません。

確かに地方は都心部よりも平均年収は低い傾向にあります。大手転職サイトリクナビNEXTの調査によると、関東に比べて地方の平均年収は中国・四国で16%減、北海道・東北で21%減、九州で22%減となっています。

しかし、他の転職者にない強みを持っており、希少性があると判断されれば、地方の企業であっても高年収を提示してくれる可能性があります。

また、地方では都心部に比べて家賃や物価が低いため、手元に残る金額は都心部にいたときよりも高くなるでしょう。

※出典:リクナビNEXT「都心vs地方の最大格差は2割!地域別年収差を徹底比較

転職エージェントを活用する

自分だけでは転職の不安をぬぐい切れないという方は、転職エージェントを活用してみましょう。

転職エージェントは求職者に対してキャリアドバイザーが付き、転職活動をサポートしてくれます。

キャリアアドバイザーは企業や業界情報だけでなく転職市場についても詳しい専門家です。そのため、30代からの転職活動でもこれまでの経歴を踏まえた上で様々なアドバイスをもらえるでしょう。

紹介される求人も転職サイトや企業の採用サイトでは公開されていないものも数多く存在し、自分だけでは探し出すのが難しい求人にも出会えるかもしれません。

効率的に転職活動を行いたい方は、転職エージェントを利用してみましょう

 

30代からでも転職は可能!ただし、事前準備は怠らず

30代の転職ということに抵抗感を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、転職先に自分が即戦力であることをアピールすれば、十分に転職できるでしょう。

ただし、20代の転職者とは異なり、30代ではポテンシャル採用を希望するのは難しいため、情報収集や自己分析などをしっかりと行わなければいけません。

転職準備期間を設けずに、これらを怠ってしまうと年収が下がる要因となるため注意が必要です。

地方転職に特化した転職エージェント「ヒューレックス」には、30代向けの求人が多くあるので興味がある方はぜひ登録してください。

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この記事の監修

須賀川 敏哉

神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。

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