早期退職のメリット・デメリットを徹底解説|40代・50代の最適なキャリアプランとは?

コロナウィルスや副業の普及で関心が高まっている「早期退職」。この記事を読んでいる方のなかにも自分の会社が早期退職を募っていたり、周りの同世代が早期退職を選択していたりするのではないでしょうか?
本記事では、早期退職について詳しく知りたい、早期退職を考えている方に向けて以下の内容を解説します。
● 早期退職の種類
● 早期退職とリトラの違い
● 早期退職のメリット・デメリット
● 早期退職を失敗しないための注意点

今後、増えていく可能性の高い早期退職について理解を深め、自分の状況に応じてどのようなキャリアプランを選択するべきかを考えていきましょう。

早期退職とは?

早期退職とは、定年を迎える前に企業を退職することです。
企業が従業員に早期退職を募る理由はさまざまですが、主に以下の事例が挙げられます。

  •  業績不振、経営悪化
  •  組織再編
  • 企業の若返り
  • 人件費の削減

 

最近ではコロナウィルスの影響により、業績不振に陥る企業が増加し、早期退職者を募る企業も増えています。

東京商工リサーチが行った「2020年上場企業の早期・希望退職実施調査」によると、93社が早期・希望退職者の募集及び実施をしています。2019年は35社であったため、比較すると2.6倍も増加していることがわかりました。この数値は、2009年のリーマンショック以来の高水準です。

今後もこういった企業が増えてくる可能性は高く、自社、同業他社の動向をチェックすることも大切です。早期退職といってもいくつかの種類に分けられるため、それぞれの意味や違いを知っておきましょう。

希望退職制度

希望退職制度とは、リストラと違い従業員自らの意思で退職を決めることです。強制力はなく、あくまで任意の退職という形になります。基本的には、一定の期間に限定し希望退職者を募り、通常の退職よりも良い待遇や条件で退職が可能です。

希望退職者社の募集から退職するまでの流れをみていきましょう。

  1. 希望退職の募集基準を決定
  2.  経営トップ層・幹部への合意確認
  3.  社員への通達
  4.  失業給付の情報提供
  5.  社員への個人面談の実施
  6. 希望退職社名簿の作成
  7. 退職者への通知
  8. 退職まで間出勤の免除
  9. 退職事例の交付
  10. 希望退職者誓約書の提出
  11. 退職金の支払い
  12. 退職手続き

 

以上が希望退職が完了する一連の流れになります。希望退職の条件として、退職金の割増をする企業が多いとされていますが、業績や規模によって退職金に違いが出るため、割増金額が妥当なのか判断するのは難しいでしょう。

その際は、下記の東京産業労働局が調査した中小企業の退職金相場を基準にしてみてください。

勤続年数 年齢 退職金額(会社都合)
20年 42歳 425万円
25年 47歳 598万円
30年 52歳 785.6万円
33年 55歳 915.3万円

引用:東京都産業労働局|中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)

リストラ

リストラとは企業が業績不振に陥ってしまった際に、事業を再構築するため人員整理を行うことです。日本では「リストラ=解雇」というイメージがついていますが、本来は解雇以外にも、減給や配置転換、賃金カットなど人員の最適化を行うことを指します。

リストラによる従業員の解雇を「整理解雇」と呼びますが、企業が整理解雇を行うためには、下記のようなさまざまな条件をクリアしなければなりません。

  • リストラをする人員の選び方が合理的である
  • リストラで人員削減が必要である
  • リストラの手続きが社会的に相当であるリストラ回避 の努力を行なったが、リストラが必要である

 

逆に、退職金制度がある企業でこれらの条件をクリアしており、業績も悪化しているのであれば、早めに退職し退職金を受け取っておくのも一つの手でしょう。 会社自体が倒産してしまうと退職金が受け取れない可能性もあるため、自社を客観的に見て正しい線引きをすることが大切です。

選択定年制度

選択定年制度とは、従業員が定年のタイミングを50〜65歳 の間で自由に決めることができるという制度です。現在は高齢者の収入を確保するために定年が65歳となっていますが、必ずしも65歳まで働く必要はなく、個人の就労意欲に応じた選択ができます。企業によって退職金や賃金、条件などは異なりますが、下記のような具体例を採用している企業 もあります。

選択定年制度の例
定年として設定可能な年齢 60〜65歳までの年齢から好きな定年を選択可能
選択をする時期 ・55歳の時点で制度について説明する
・57歳の時点で定年を選択する
・59歳の時点で最終確認をする
選択後の勤務形態、職務内容 従来通りのフルタイム勤務が基本
※企業により時短勤務や休日を増やすケースもあり
給与水準等 ・56〜59歳までの給与は100%支払い
・60歳以降の給与は60%

働き方の多様化により、退職できるタイミングを任意に選べる選択定年制度ですが、退職後のプランをしっかりと立てておく必要があると言えるでしょう。

それぞれの早期退職について解説しましたが、いずれのケースも本当に退職することが正しいのかを考え、退職後のライフプランを明確にすることが大切です。

コロナウィルスによって変化する早期退職の動向

コロナウィルスの影響により、多くの企業が早期退職への変化・対応に追われています。緊急事態宣言による飲食店への影響や、テレワークの導入などによる業績不振といったや 働き方の変化により、人員削減をせざるを得ないのです。

例えば、パナソニックが50歳以上のバブル世代と呼ばれる従業員を対象に「早期退職プログラム」という大規模リストラに着手することを発表しました。早期退職プログラムの目的は人員削減ではないとしていますが、従業員の立場からすると、リストラと変わりはないという意見もあります 。

退職プログラムの内容を簡単にまとめると以下の通りになります。

  • 対象者:勤続年数10年以上、59歳10ヶ月以下の社員、64歳10ヶ月以下の再雇用者
  • 割増退職金の上限額:4000万円
  • 支援内容:転職活動中の休暇取得、再就職支援

 

早期退職を決断する期間もわずか3ヶ月ほどしか与えられず、今後を左右する選択をごくわずかな時間で選択しなければなりません。パナソニックという誰もが知る大企業で働いていても、早期退職を迫られる世の中です。

自分が同じ立場になったときに慌てないよう、あらかじめ想定し準備しておくことが大切になります。

早期退職のメリット・デメリットとは?

早期退職にはメリットとデメリットがあります。勤めている企業の業績や自身の状況によって、した方がいいケースとそうでないケースがあるのです。早期退職を考えている方は、以下の具体的なメリット・デメリットを判断材料にしてみてください。

早期退職のメリット

早期退職の主なメリットは、以下の4つです。

  • 割増退職金がもらえるケースがある
  • 再就職支援が受けられるケースがある
  • 自由な時間を得ることができる
  • 自己都合ではなく会社都合で退職できる

 

それぞれのメリットを一つずつ解説していきます。

割増退職金がもらえるケースがある

「割増退職金」とは、通常の退職金にプラスして別途支給される退職金のことです。企業の制度にもよりますが、希望退職制度、選択定年制度のどちらも割増退職金が支給されます 。

割増退職金の平均額は「年収×2年分」と言われていますが、勤続年数や早期退職時の年齢などによって変動するので確実に上記の金額が支給されるとは限りません。2019〜2020年に早期退職者を募集した企業の割増退職金は下記の通りですので、参考にしてみてください。

年数 企業名 割増退職金
2016年 東芝 1,218万円
2019年 ファミリーマート 1,463万円
2020年 レオパレス21 234万円
2020年 味の素 4,514万円
2021年 パナソニック 4,000万円

パナソニック、味の素のように業績が好調であれば多くの退職割増金が支給され、レオパレスのように業績不振に陥っている企業は、支給額も少なくなる傾向があります。

再就職支援が受けられるケースがある

再就職支援とは、早期退職者に対して人材会社が再就職を支援してくれるものです。退職前の雇用先が人材会社と契約をし、再就職にかかる金額を負担します。企業側が早期退職者と退職後のトラブルをできる限り避けるために、導入しているケースが多いと言えます。

  • 再就職支援の主なサポート内容は下記の通りです。
  • 就職先の斡旋
  • 退職者のケア・カウンセリング
  • 面接の指導
  • 履歴書・職務経歴書の添削

 

現在勤めている企業に再就職支援制度がある場合は、無料で支援を受けることができるため、サポートを受けておいて損はありません

自由な時間を得ることができる

退職後にやりたいことが明確にある人は、実現のために自由な時間が手に入るのは大きなメリットと言えます。また、長年働いてきた体を癒すためにリフレッシュする時間に使っても良いでしょう。

自己都合ではなく会社都合で退職できる

早期退職を勧告される前に転職を考えていた場合、早期退職を選択することで自己都合退職ではなく、会社都合退職ができることも大きなメリットです。

会社都合退職の最大のメリットは失業保険支給の優遇を受けられる点です。自己都合退職の場合、退職後3ヶ月が経過してからしか失業保険金は入ってきませんが、会社都合退職の場合は、最短で1週間から失業保険金を受け取ることができます。

また、受け取れる金額にも差があり、自己都合退職の上限金額が約118万円に対し、会社都合退職は約260万円と2倍以上の金額を受け取ることが可能です。

ただし、早期退職の中でも「選択定年制度」に関しては自己都合退職扱いになるので注意しましょう。

会社に何かしらの不満がある、新しい仕事にチャレンジしてみたいという人は早期退職を上手く利用することを考えてみてください。

早期退職のデメリット

早期退職のデメリットは以下の3つです。

  • 転職先が決まらないケースがある
  • 収入が減ってしまう恐れがある
  • 年金の支給額が下がる可能性がある

 

それぞれのデメリットを詳しく解説していきます。

再就職先が決まらないケースがある

早期退職をしたはいいものの、なかなか再就職先が決まらないことがあります。個人のスキルや経験によって再就職の難易度は変わりますが、年齢が上がるにつれて再就職の難易度は上がるのが一般的です。

少子高齢化が進む世の中で、年齢による転職難易度は下がっているとはいえ、「簡単に転職できる」と安易に考えている人ほど、いつまで経っても就職先が決まらずに苦労するケースがあるので注意が必要です。

収入が減ってしまう恐れがある

早期退職し転職に成功しても、元の企業よりも収入が下がるケースは大いに考えられます。

今までは勤続年数や実績などの積み上げてきたものを評価し、給料に反映されてきましたが、新しい職場ではどれだけスキルがあろうと1年生です。あらかじめ年収が下がっても問題ないライフプランの設定や、転職先でも年収が下がらないように意識をして転職 活動を行うことが大切です。

年金の支給額が下がる可能性がある

早期退職をすることで、将来的に年金の支給額が下がってしまう可能性があります。退職後に受け取る年金は「老齢厚生年金」「老齢基礎年金」の2つに分けられ、老齢厚生年金は年金の支給開始までの平均給与、加入月数によって金額が決まります

早期退職をすることで、前職より給料が減ってしまった場合や、離職期間が長く給与が発生しない場合、その分年金支給額も減ってしまうのです。

また、老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの保険料納付月数により金額が決まります。例えば、退職後の収入が減り、保険料の免除を受けた場合、保険料納付額が減るため、年金の支給額も減ることになります。

このような老後のリスクをしっかり考えた上で早期退職を検討しましょう。

早期退職のメリット・デメリットはさまざまですが、早期退職をするかしないかは最終的に自分の判断になります。家族や同僚、友人など周りの人 とよく相談し、後悔しないような選択をしてください。

早期退職で成功する人と失敗する人の特徴と具体例

同じ早期退職という選択をした人でも、退職後の人生が「成功する人」と「失敗する人」にわかれてしまいます。早期退職で失敗しないために、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

早期退職で成功する人の特徴

早期退職で成功する人は、早期退職後のライフプランをしっかりと設計し、今まで培ってきたスキルや経験を活かせる人が多いようです。

例えば、前職で管理職に就いていた場合、マネジメントスキルを活かしてハイクラスの転職を成功させたり、長年積み上げてきた経験を活かして同業他社へと転職したりしています。スキルや経験だけではなく、多くの人脈を活かして独立をすることで会社員時代よりも高い収入を得ている人も少なくありません。

このような人には、下記のような共通点があります。

  • 転職先でも通用するスキルや経験を持っている
  • 社内、社外からの評価が高い
  • 人脈が多く、信頼されている
  • 早期退職後にやりたいことが明確にある
  • 家族や親しい人としっかりと相談をし、理解を得ている
  • 早期退職前に必要な準備やプラン設定を入念に行なっている

 

今の自分にこれらの項目に自信がないと感じる人は、早期退職をする前に対策をしておくことで、より早期退職を円満に行うことができるでしょう。

早期退職で失敗する人の特徴

逆に、早期退職で失敗しやすい人は、早期退職の割増賃金や職場からのストレスからの解放といった目先のメリットだけを優先させてしまい、先のことを考えずに失敗してしまうケースが多いようです。

また、前職の給与や待遇にしがみつき、なかなか転職先が決まらないといったことも失敗する原因になります。下記の特徴に当てはまる人は、一度自分を見つめ直し、早期退職をするべきか今一度 考えてみてください。

  • 社内、社外からの評価が低い
  • 自分1人だけで早期退職を決めてしまう
  • 前職の給与以上を求めてしまう
  • 新しいことにチャレンジする意欲が少ない
  • 柔軟に物事を考えられない
  • 誰にでもできる仕事しかできない

 

それぞれの特徴を自分に当てはめて、早期退職後も後悔しないように行動することが大切です。

早期退職前と退職後の注意点とは?

早期退職をする際は、退職前後で注意・確認しておくべきポイントがあります。何も準備せずに早期退職をしてしまうと、金銭面での苦労や企業とのトラブルなど、さまざまなリスクにつながる可能性が非常に高くなるのです。

このようなリスクを避けるためにも、最低限以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 退職金の支給額、受け取り方の確認する
  • 生活できるだけの貯蓄があるかを確認する
  • 退職後のキャリアプランを明確にしておく

 

それぞれ詳しく解説していきます。

退職金の支給額、受け取り方の確認する

自己都合ではなく会社都合の早期退職の場合、通常の退職金よりも多く受け取れる可能性が高いため、会社側としっかりと金額について話し合いましょう。

また、退職金の受け取り方には以下の3種類があり、それぞれ税金のかかり方が異なります。

  1. 「全額を一時金で受け取る」→「退職所得」として課税される
  2.  「全額を年金で受け取る」→「雑所得」として課税される
  3.  「一時金+年金で受け取る」→一時金は「退職所得」、年金は「雑所得」として課税される

 

自分の状況に応じた受け取り方を選択することで、手元に残る金額に大きな差が出る場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

生活できるだけの貯蓄があるかを確認する

早期退職をする際に最も大切だと言えるのが「貯蓄の確認」です。退職金がもらえるから問題ないと考えている方も多いと思いますが、企業の業績が悪化している場合、退職金がもらえない可能性があります。

いざ退職して生活が苦しくなることがないように、前もってお金の管理を行っておきましょう。

退職後のキャリアプランを明確にしておく

早期退職をした場合、違う会社でキャリアを再スタートさせるのか、働く以外の選択肢を取るのかは人それぞれですが、できるだけ早めに退職後のプランを明確にしておきましょう。

仮に転職をする場合、想像以上に体力を使いますし、簡単に就職先が決まるものではありません。また、長年勤めてきた企業の考えに体が馴染んでしまい、新しい職場に馴染めない可能性もあります。

こういったリスクを避けるため、転職活動を早めに行ない入念な準備をしておきましょう。

早期退職をするか悩んでいる人は転職エージェントに相談してみよう

今勤めている企業で早期退職をするべきか悩んでいる方は、転職エージェントに登録して自分の状況や世間の流れ、転職市場などの情報を踏まえた上で判断するのがおすすめです。

世間や周りが早期退職を推奨しているからといって、自分も早期退職をするのが正解とは限りません。

転職エージェントに登録をすることで、今までの経験や現在の転職市場など、さまざまな転職情報をもとにキャリアアドバイザーが最適なプランを一緒に考えてくれます。

ヒューレックスはミドル・ハイクラス層の転職支援実績が豊富で、各地域の金融機関、有力企業と強い信頼関係を築いているため、早期退職後のキャリアプランも安心して相談することができます。

少しでも早期退職や転職に興味がある方は、ぜひヒューレックスの転職支援に申し込みをしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

須賀川 敏哉

神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。 10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。 仙台本社を経て、現在は東京本社を立ち上げ、首都圏および関東甲信越地区において、数多くの就職・転職成功実績を積み重ね、今後も「転職成功物語」、実績NO.1を目指す。

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