30代から始める移住生活の現実は?仕事の探し方を紹介

新卒時から10年以上のキャリアを積んできた30代の会社員の中には、「一度ここで自分の社会人生活を見直したい」と考える人も少なくありません。そのように考える30代から注目を集めているのが、地方への移住です。地方移住には都会から離れてゆったりとした生活を期待できる一方で、仕事探しや新しい生活への不安もあります。今回は移住を決意するまでに知っておきたいメリットとデメリットに触れながら、仕事探しのコツを紹介します。

移住生活を考える30代の実情

地方公共団体によるプロモーションや移住支援金が後押しとなって、最近は地方への移住に人々の関心が高まっています。そのなかでも働き盛りである30代は、地方移住にどの程度関心を寄せているのでしょうか。

移住経験者のうち30代が約3割

画像引用:「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」

地方移住に関する支援・相談を行う「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」の、2019年の来訪者・問い合わせ数は49,401件です。

2,475件であった2007年と比較すると、この14年間で約20倍も増加した計算になります。ふるさと回帰支援センターへの来訪者・問い合わせ数の激増は、近年、地方移住への関心が大きく高まっている現れといって間違いはありません。ふるさと回帰支援センターは、10代・20代の若者から70代以上の高齢者まで、幅広い年代が地方移住のために利用している組織です。

その中でも30代の利用者が最も多く、2019年時点では全世代の利用者のうちの26.6%を30代が占め、全世代で最多でした。

30代が考える移住の懸念点は「給与」と「情報量」

一般社団法人 移住・交流推進機構が2018年に公表した「若者の移住」調査結果では、20代から30代が考える移住の懸念点が明らかになりました。

画像引用:「2018年『若者の移住』調査|一般社団法人 移住・交流推進機構」

「地方への移住を妨げている大きな要因は何ですか」という問いに対しては、「移住先では求める給料水準にない」が最多の25.6%です。次いで、「田舎の人間関係が不安」が23.6%を占めています。また、カテゴリー別にみた場合、「どこから手をつけて良いのかわからない」「移住先の情報がない」など、情報不足関連の懸念点が34.8%にも及びます。

給与については、転職サイトやエージェントなど多くの媒体を活用して、より豊富な求人情報を集めて高収入を探す方法があります。また、情報不足は地方の転職に強いエージェントの活用によって、移住先の情報や移住の手だてに関するヒントを得られるはずです。

いずれの懸念点においても、移住を検討する際には、あらゆる媒体を活用した十分な情報収集が必須です。

主な移住のスタイルは​「Uターン」「Iターン」「Jターン」​の3つ

地方移住に関するセミナーや相談会では、「Uターン」「Iターン」「Jターン」といった用語が頻出します。ここではそれぞれの用語を解説しつつ、移住スタイルの特徴をみていきます。

Uターンは出身地に戻るスタイル

Uターンとは、地方で生まれ育った人が一度その地域から都会に出た後、また地元に戻るスタイルです。例えば岩手県で生まれ育った人が大学進学と同時に東京に移住したものの、就職と同時にまた岩手県に戻ってくるケースが該当します。Uターンでは、もともと暮らしていた地域に移住するため移住先になじみがある点が特徴です。

Iターンは都市部出身者が地方に赴くスタイル

Iターンとは、都市部で生まれ育った人が、地方のエリアへ移住および転職を行う流れを指します。例えば生まれと育ちは東京の人が、就職と同時に北海道へ移住を行うケースはこれに当たります。移住先の地域になじみがあるUターンとは異なり、Iターンでは未知の土地に移住する点が特徴です。

Jターンは新しい土地に赴くことが多い

Jターンは、地方で生まれ育った人が地元から出て都会に移住した後、地元の隣接エリアに戻ってくることを意味します。Uターンと類似していますが、生まれ育った地域に戻るUターンに対して、Jターンでは地元の近県や同じ県の都市部に移住する点が特徴です。

30代が地方に移住・転職するメリット

30代は地方移住に関心が高く、実際に地方移住を経験した人が多い世代でもあります。その背景には、キャリアや子育てに有利な点、また助成金など多くのメリットがあります。

都会で積んだキャリアを地方で発揮できる

一般的に30代と言えば中堅のポジションに就く世代であり、重要な仕事もある程度経験している年代といえます。そのような働き盛りの世代を、地方の企業は貴重な即戦力として求めているものです。都会でキャリアを積んできた経歴を地方の企業で存分に発揮できれば、企業の利益だけでなく、地方創生への貢献も期待できます。その結果として、規模が大きい都会の企業で働くよりも、多くのやりがいや達成感を感じながら仕事ができるはずです。

また、地方の企業ではひとつのプロジェクトに携わる人数が少なく、より重要な仕事やポジションを任される可能性もあります。その経験は自身のキャリアアップや能力向上の手助けとなって、ビジネスパーソンとしての価値を高められます。

余裕のある子育てを期待できる

地方は都市部と比較して、余裕のある子育てを期待できる点もメリットです。豊かな自然に恵まれた地域は、育ち盛りの子どもにも保護者にもうれしいポイントです。

また、地方では人口密度が低いため、保育園や幼稚園の定員に余裕があり、待機児童が都市部よりも少ない傾向です。その傾向は、厚生労働省が公表した「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)」の待機児童率に現れています。待機児童率の全国平均は0.44%でありますが、都市部を除く地方エリアはおおむね平均よりも低い数値となっています。待機児童率が低ければ、共働き家庭でも子どもを預けられる可能性が高く、子育てしやすい環境を整えられます。

家賃が安く高い生活水準を保てる

順位 持ち家住宅率の高い都道府県(2018年) 割合(%)
1位 秋田県 77.3
2位 富山県 76.8
3位 山形県 74.9
3位 福井県 74.9
5位 岐阜県 74.3
順位 持ち家住宅率の低い都道府県(2018年) 割合(%)
1位 沖縄県 50.2
2位 東京都 44.6
3位 福岡県 53.6
4位 大阪府 54.7
5位 北海道 56.3

参考:「都道府県別でみる住宅状況~住宅及び世帯に関する基本集計(確報値)より~|総務省統計局」

地方に移住するメリットのひとつとして、賃貸物件の家賃が全国基準よりも安い傾向にある点が挙げられます。

総務省統計局が2018年に公表した「都道府県別でみる住宅状況~住宅及び世帯に関する基本集計(確報値)より~」によると、借家の1か月当たりの全国平均家賃は55,695円であるのに対して、首都圏や関西の都市部を除く地方は、おおむね3~4万円台が相場です。

また、地方移住にともない持ち家の購入を検討している人にも、地方都市はおすすめです。総務省統計局のデータによると、持ち家住宅率の高い都道府県には多くの地方都市がランクインしています。地方都市は安い家賃でより良い条件の物件を借りられるうえに、持ち家も構えやすい環境であることから、充実した住環境を期待できます。

自治体によっては助成金が支給される

地方創生の一環として、地方エリアで就職を行う人を対象に地方自治体が助成金を支給する取り組みが行われています。起業支援金では、東京都圏以外の地域で新たに起業、もしくは事業継承または第二創業する場合には最大200万円が支給されることになっています。

また、東京23区に在住または通勤する人が東京圏外へ移住をし、起業や就業をした場合に支給される移住支援金にも注目が集まっています。支給額は最大100万円(単身者は最大60万円)です。

起業支援金および移住支援金の詳細な支給条件は、各地方自治体のホームページなどからご確認ください。この助成金を移住時の引っ越し費用や新生活費用に充てることで、よりスムーズな移住生活をスタートできるでしょう。

30代が地方に移住・転職するデメリット

30代が地方に移住・転職するメリットは大変魅力的ですが、デメリットも同様に存在します。ここでは30代の地方移住・転職で起こりうるデメリットをみていきます。

年収が下がる可能性がある

厚生労働省が公表した「令和元年 賃金構造基本統計調査」によると、年収の全国平均は307.7万円。東京都は379.0万円、神奈川圏は341.1万円、最下位は青森県の239.0万円です。この結果からは、東京圏とそれ以外の道府県で年収に大きな差があることが読み取れます。したがって、東京圏や関西の都市部に勤務している人は、地方移住にともなって年収が下がる懸念があります。

しかし、都市部と比較して、地方は家賃や物価が安い傾向にあるため、年収が下がっても以前と変わらない生活水準を維持できる可能性大です。

地方の生活が合わないこともある

都市部と地方の違いとして、交通網と商業施設の充実度が挙げられます。地方は都市部ほど公共交通機関が充実していないため、マイカーの所持が必須です。一般財団法人 自動車検査登録情報協会が平成28年の公表したデータによると、自家用乗用車の1世帯当たりの保有台数が東京都は全国最下位の0.450台

一方で、東京都や大阪府など都市部以外の道府県については、おおむね1から1.5台の保有台数となっています。

また、経済産業省が公表した「平成26年商業統計表(二次加工統計表)」をみると、面積1,000k㎡あたりの大型商業施設数は、大阪府が最多の85.04店舗、次いで東京都が83.07店舗。以下神奈川県、埼玉県、愛知県が続き、都市部の都道府県に大型商業施設が多いことがわかります。

一方、最下位の高知県は1.27店舗であり、地方と都市部では商業施設の充実度に大きな差があると言えるのです。地方移住を検討する際には、マイカーの購入を検討したり、商業施設にアクセスしやすい土地を選んだりすると良いでしょう。

自分に合う仕事が見つからない恐れがある

厚生労働省が公表している「雇用関係指標」によると、2020年度の有効求人数における全国最多は東京都で2,944,734件。最下位の鳥取県は147,314件であり、これは東京都の約20分の1に当たる少なさです。求人数が限られると、希望の業種・職種や労働条件にマッチする求人にたどり着ける可能性がおのずと低下します。

また、人口が少ない地方は都心部と比較して事業規模が小さくなる傾向にあるため、大きなプロジェクトを通してスキルを発揮したい人にはやや不向きであるかもしれません。地方で自分に合う仕事を見つけるためには、地元の転職市場に強い媒体を活用して、より多くの求人情報を得るのがおすすめです。

30代が移住先で仕事を探す方法

地方移住にはメリット・デメリットの両方がありますが、まずは移住希望先の生活情報や転職市場を把握してから、移住を検討したいところです。ここでは、移住先の情報を得る方法を4つ紹介します。

自治体の就労支援サポート

各自治体が行う就労サポートには、移住を考える人のための求人情報サイトがあります。例えば、宮城県では求人情報サイトの「みやぎ移住ガイド」を公開していて、地元の企業や求人の情報を探せるようになっています。地元の求人情報が多く掲載されているのは、非常にうれしいポイントです。しかし、実際の採用試験の対策までは受けられない点はデメリットと言えます。

転職サイト

求人情報を探す際、インターネットの転職サイトを利用する人は少なくありません。規模の大きな転職サイトであれば、地方の求人情報もある程度掲載されています。地方の求人に特化した転職サイトもいくつか存在していて、全国規模の転職サイトと併用する人も少なくありません。

ただし、転職サイトはあくまでインターネット上に掲載されている求人情報の閲覧にとどまるもので、具体的な地元の生活情報にはたどり着きにくいのがデメリットです。

地域おこし協力隊

数年間を地域で過ごし、地域への貢献活動を行う地域おこし協力隊。住居や活動用車両の費用は自治体が負担するケースがほとんどで、活動費として労働の報酬が支払われます。地域おこし協力隊の活動に参画すると、より地元のことを知れるようになります。一方で、地域おこし協力隊の活動は1~3年で終了するため、長く地方で暮らしたい人には不向きかもしれません。

転職エージェント

転職エージェントは、転職を希望する人と採用を考える企業の間に立って、転職を支援するサービスです。転職市場やノウハウに詳しいアドバイザーがサポートを行うため、求人情報の紹介だけでなく、面接の作法や履歴書の書き方についてもアドバイスを受けられる点がメリットです。

特に、地方移住の場合には、地元の転職市場に詳しい転職エージェントがおすすめです。地元の転職エージェントであれば、移住先の生活情報にも詳しいため、多くの有用な情報を得られる可能性があります。

 

移住を考える30代は転職エージェントに相談しよう

昨今、政府の後押しによって注目を集めている「地方移住」。地方へ移住および転職を行うと、豊かな自然と充実した住環境のなかで、穏やかな毎日を過ごせそうです。

一方で、地方における求人の少なさや未知のエリアに移住することへの不安はつきものです。地方の求人に強い転職エージェントであれば、豊富な求人のなかから自分が希望する仕事を見つけられるかもしれません。

ヒューレックスは、地元の優良な求人情報を豊富に扱う転職エージェントです。地方銀行と提携していることから、地元の優良企業の求人が豊富です。地方への転職をお考えの方は、一度ぜひヒューレックスにご相談ください。無料相談

サービス詳細を見る  

この記事の監修

神谷 貴宏

愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。

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